美と健康のために正しいと思うこと。その常識を「あなたの常識、それ本当?」は徹底検証していきます。今回のテーマは「減塩」。塩分のとりすぎには気をつけたいですが、塩分は人間にとって必要なミネラルでもあります。単に控えるだけでない、新しい減塩の考え方を専門の先生にお聞きしました。
"控える"だけじゃないの?新しい減塩の考え方。
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"控える"だけじゃないの?新しい減塩の考え方。
マグネシウムなどが塩分の排出を促進。
ヘルシーで彩りも美しく、世界的にも人気の高い和食。ですが、唯一気をつけたいのは塩分が多いことです。塩分の摂り過ぎは高血圧を招き、脳梗塞や心筋梗塞などの病気のリスクを高めることにもつながります。
「塩の主成分は、ミネラルのひとつであるナトリウム。これは料理をおいしく感じさせる成分ということもあって、ついつい摂り過ぎてしまうのです」と言うのは、東京大学名誉教授の阿部啓子先生。調味料として使う塩を控える工夫は必要ですが、他にも気をつけるべきことがあると言います。
「塩分(ナトリウム)の摂り過ぎがよくないのは、ミネラルバランスがくずれるから。日本人はナトリウム摂取だけが過剰で、マグネシウムやカリウムなどのミネラルは不足しています。マグネシウムやカリウムには塩分の排出を助ける働きがあることから、これらを摂取することで、体内の余分なナトリウムを排出することができます」
ナトリウム以外のミネラルを摂取してミネラルバランスが整えば、身体機能を正常に保つことができますから、健康維持にもつながります。塩分を控えることに加えて、不足しているミネラルを摂ることも、大切な減塩なのです。