病院に行くほどではないけれど、「何とかしたい!」困りごとに、薬剤師の小原先生が、役立つアイテムやアイデアをご提案します!


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お腹や足元を温めることで、熱を逃して眠れる身体へ。
睡眠は心身の健康に欠かせないもの。とはいえ、えみこさんのように、毎日の睡眠に不満を抱える人はとても多いものです。寝つきが悪くなる原因は、ストレスが考えられますが、もうひとつ、眠りを妨げるのが冷えです。
私たちは、手足から体内の熱を逃す放熱によって脳や内臓など身体の深部温度が下がったときに眠気が訪れます。しかし、手足が冷えていると、深部体温を下げる放熱がスムーズにできず、入眠しにくくなります。寝つきをよくするには、冷えやすい部分を温め、放熱しやすい身体環境に整えることが大切。足元の冷えには、おやすみ用のレッグウォーマーを着用しましょう。さらに、試していただきたいのが腹巻です。
私が勤める大学の薬学部で、放熱時間と睡眠の深さを調べる実験を行ったところ、腹巻を着用して寝たときが最も短い時間で眠りにつくことがわかりました。お腹を温めることで末端まで血液の循環がよくなり、放熱が活発になって、早く眠りに入れるんですね。お腹の調子もよくなると言われますので、入眠アイテムとしてぜひ、とり入れてみてくださいね。
疲れを癒やすアイテムで、寝る前のリラックスを!
先ほど少しお伝えしたように、寝つきの悪さにはストレスもあります。年齢を重ねると考えることが多く、ストレスを感じやすくなるからでしょうね。
そんな現代人のストレスの緩和をサポートする成分には、GABAなどいろいろあります。それらを含むドリンクやサプリメントは疲労回復や寝つきに役立ちます。また、腸は自律神経を介して脳に作用することから、最近では腸の働きを活性化して睡眠の質を高める乳酸菌飲料が注目されています。いずれも、飲めば眠くなる薬ではなく、足りない栄養素を補う食品なので、3か月くらい飲み続けたほうが、効果は感じやすいと思います。サプリメントなどの摂取が不安な方は、腸内環境を整えるアミノ酸が豊富な発酵食品の甘酒や身体を温めるのに効果的な生姜湯も、おすすめですよ。
寝つきをよくするには、緊張状態から解放されることが大切です。心身をリラックスした状態にするために、筋肉や疲れをほぐす炭酸系のバスソルト、目の疲れや緊張がほぐれる温感アイマスクなども、おやすみ前のリラックスに役立ちます。
ドラッグストアには、眠りをサポートしてくれるアイテムがたくさんあるので、上手にとり入れながら自分に合った入眠スタイルを見つけてくださいね。
冷えやすいポイントをしっかり温め、
放熱をスムーズに。

目を温める。
温感アイマスクは、目の疲れを癒やし、リラックスできるのはもちろん、目元を温めると手足の表面体温が上がり、放熱がスムーズになる効果も!

お腹を温める。
腹巻でお腹を温めると、放熱が活発に。綿、シルク、ポリエステルなどさまざまな素材があり、温め効果の高い発熱素材や日中も着用できるインナータイプなど、好みの肌触りや使うシーンに合わせて選べます。

足を温める。
足の冷えが気になる、就寝中に足がつりやすい人は、レッグウォーマーもお役立ちです。足先がオープンなので入眠時はしっかり放熱!
手足から熱を逃がし、体温を下げる放熱によって深い眠りが訪れます。