閉経“前”5年を進むための正しい知識1・2
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閉経“前”5年を進むための正しい知識1・2
閉経“前”5年を進むための知識.1
特に不調がない人もいます。
現れ方は、人それぞれ
現れ方は、人それぞれ
更年期症状と更年期障害は別のもの
「多くの人が更年期をネガティブなものだと感じるのは、その言葉を“更年期に現れる不調”ととらえているからのように思います。更年期とは時期のこと。誰もが通るものですが、すべての女性に不調が現れるわけではありません。月経のバラつきが起こる程度でその時期を終える人は40%います。そのほかの60%の人にホットフラッシュや、皮膚、粘膜の乾燥、めまいをはじめとする【更年期症状】が現れますが、それにも程度の違いがあり、生活に支障がでるほど症状が重くなる【更年期障害】を経験する人はその約半数。全体にすると30%弱になります。
ここ10年ほどの間で、エストロゲンに似た働きをする物質【エクオール】を体内で作ることができる人は、更年期症状が軽いということがわかってきました。エクオールとは、腸内細菌が大豆イソフラボンを代謝して作る成分のこと。その腸内細菌を持っている人は、更年期の不調が軽くなる場合が多いのです。エクオールを作れるかどうか、キットを使って簡単に検査することもできますよ。
一方、症状が重くなる人の特徴としては、責任感の強い人や、子どもが巣立つなど生活環境が大きく変化した人が挙げられます。それらにあてはまる人は『症状が重くなりやすいかもしれない』と考えて、対策方法を見つけておくといいかもしれません」※対策方法はこのあとのページで紹介します
閉経の前後10年間のこと
更年期に起こる不調のこと
更年期症状が重く、日常生活に支障をきたす状態のこと
閉経“前”5年を進むための知識.2
ひとりで抱え込まないで
周囲の人にも伝えよう
周囲の人にも伝えよう
自分の時間を作ることは周囲の人のプラスにも!
「更年期のさまざまな不調には、運動習慣を持ったり、きちんと睡眠をとったりすることで改善するものもあります。ぐっすり眠れたらそれだけでご機嫌に過ごせるという経験は、きっとありますよね。私も、かつて夜中にもお産をとってきたという経験から、睡眠の大切さは痛感しています。ただ、運動や睡眠は大切だとわかっていても、多くの人は自分のために使える時間が少ないんですよね。仕方がないとあきらめたり、これくらいガマンすればと思うかもしれませんが、それはよくありません。自分の調子をよくするための時間は、きちんと確保しましょう。
そのためには、周りの人に不調であるということを伝え、協力してもらうことです。自分の不調も、必要としていることも、ほかの人にはなかなか伝わらないもの。きちんと口にして伝えてサポートを受けられる環境を作りましょう。例えばパートナーやお子さんには、何をいつしてほしいかなど、どんなサポートが必要なのかを具体的に伝えるといいと思います。職場のお仲間にも協力してもらえるともっといいですね。そうして、自分のための時間が増えて、あなたの調子がよくなれば、それは周りの人の喜びにもなります。あなたが“いい状態”であることで家庭も職場もよりよい形になっていくということ。すぐに生活スタイルを変えることができなくても、自分の理想をイメージしながら日々を進んでいきましょう」