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知っトク!?健康スキル

むくみや冷えは宿命!?知っておきたい、足の血管の仕組みと下肢静脈瘤(1/3)

掲載号 vol.52

むくみや冷えは、“宿命”だった!?足の血管のはなし。

夕方に特にひどくなる、足のむくみ。夏でもつらい足の冷え。あなたも悩まされていませんか?実はむくみや冷えは、なかなか解決しない問題。なぜなら、それらの症状が起こりやすい“足の血管の仕組み”があるからです。地球で暮らす上での宿命と言えるかもしれません。そもそもの原因である、足の血管の仕組みを知ることは、つらい症状をそれ以上進めないための対策になります。

むくみや冷えは、“宿命”だった!?足の血管のはなし

“身体の下”にある足は血液が停滞しやすい!

長時間、立ち仕事が続いたりデスクワークが続くと、ふくらはぎがパンパンに張る……。朝はすんなり履けた靴が窮屈になったり、靴下の跡がくっきりついていたり。時には痛みやだるさを伴うこともあるむくみ。そして、冬場に限らず夏にも起こる足の冷え。布団に入っても足が温まらず、なかなか寝つけないということもあります。これら、足の悩みは多くの人が抱えているもの。あなたもそうではありませんか?筆者も、年齢を重ねるごとに冷えがつらくなると感じています……。むくみや冷えは、血行の悪さが原因。ここからは、筋肉や骨、皮膚のほかに忘れてはならない足の大切な要素である血管について、『下北沢病院』の副院長、長﨑和仁先生におうかがいします。先生は、血管外科医として、症状が重度の足を数多く救ってきた、足と血管のスペシャリストです。

むくみや冷えは、地球で生きる上で宿命と言えるかもしれません。それを理解してもらうためにまず血液の循環についてお話ししましょう。心臓から送り出された血液は、動脈という太い血管を通って身体のすみずみに送られています。これによって、血液に含まれている酸素や栄養が全身に届けられているわけです。今度は、全身に行きわたった血液が老廃物などをのせ、静脈を通って心臓に戻されます。こうして血液は身体を循環しています。しかし、足に届いた血液は心臓に戻りにくいのです。それは地球にある重力が原因。足は身体の一番下にありますから、重力に逆らって血液を戻すのが難しいのです。足は基本的に常に血液がうっ滞(停滞すること)状態。ほぼ100%の人がそうです。血液のうっ滞によって、余分な血液などの水分が足に滞ってむくみが起きたり、新しい、温かい血液が入りにくくなることで、冷えが起こるのです」

挿絵

なかなか使えていない“第二の心臓”

重力に加えて、血液を心臓へ戻すポンプを働かせていないこともうっ滞の原因です。

「足から血液を押し上げる役割を果たすのが、ふくらはぎです。ふくらはぎは“第二の心臓”とも呼ばれ、その筋肉を収縮させることで、ポンプの作用が生まれるわけです。デスクワークなどで座っている時間が長いときはもちろん、立ち仕事をしているときも、ふくらはぎの筋肉はほぼ動いていませんから、むくみや冷えが起こりやすいのです」

むくみと冷え以外にも、血液のうっ滞によって起こる、意外なものがあるそうです。

湿疹やかゆみ、傷の治りにくさなど皮膚のトラブルもうっ滞が原因の場合があります。うっ滞で血管が膨らむと皮膚も伸び、亀裂が生じます。それによって皮膚のバリア機能が失われて、さまざまなトラブルが引き起こされてしまうのです」

むくみやだるさ、冷えをはじめとするさまざまなトラブル。日常生活に大きな支障が出るわけではないので、ガマンをしたり、放置したりしてしまいがちですが、やはりそのままにしていてはよくありません。血管の状態がさらに悪化して、ある足の病気につながることもあるからです。

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