自分の足に関心を。靴選びのポイント&足のセルフケア
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自分の足に関心を。靴選びのポイント&足のセルフケア
変化を感じたら対応することが大切
誰かに自分の素足を見せるのは、なかなか勇気がいるもの。『下北沢病院』を初めて受診する人の中にも、足を見せるのをためらう人が少なからずいるそうです。それはきっと恥ずかしさからくるものなのだと思いますが、自分の今の足を知らないことからくる不安もあるのではないでしょうか。顔や手は見る機会が多くありますが、足を見ることはあまりありません。
「これからは、足をもっと見るようにしましょう。タコや魚の目、巻き爪、皮膚の乾燥、だるさや痛みなど、それくらいのこと……と思ってしまいそうなものですが、実はそれらはすべて足の早期病変です。後々大きな問題につながる可能性があります」
自分の足に関心を持つこと。それが足を守るための第一歩です。お風呂上りや着替えの最中など、自分の足を見る習慣を持つようにしましょう。
「足の変化を感じたら、それに対応することが大切です。靴もそう。先にお伝えしたように、アーチが崩れると靴が窮屈になることがあります。そうなったら、足長だけでなく幅を考えて選ぶようにしてください。靴は足の健康のためにはやはり重要です。年齢に関係なく大切なポイントを押さえて選んでください」
靴選びのポイント
シューフィッターのいるお店で、計測してもらうとよい
靴で重要なのはかかと。足首を安定させることが大切
歩行で重要なけり出しがしやすい
柔らかいと疲れやすさやタコの原因に
足がむくみやすくなる夕方に試着を。できるだけ店内を歩いて違和感がないかを確かめる
甲を固定させると、足を機能的に動かせる
1~1.5cmゆとりを持たせる
不安定で足に負担がかかりやすいヒール靴。着用が必要な場合は、できるだけ以下のポイントを押さえて選びましょう
もちろん予防も大切です。アーチの崩れは大きくなればなるほど、元に戻すのは難しくなります。崩さないように、維持しましょう。
「まだ足のトラブルがない人も、外反母趾などのトラブルがある人も、トレーニングやマッサージで、よい状態を維持することができます。こちらもとり入れてください」
歩ける足を維持する!
4つのセルフケア
筋肉を鍛える
ふくらはぎから足までつながる後脛骨筋(こうけいこつきん)のトレーニング
左右各10回程度
①足の裏を床につけて椅子に座る
②つま先を少し外側へ向ける
③小指とかかとを床につけ、親指側を浮かせる
④足の外側で床をこするように、足首を内側に向けて動かす
かかとの骨から足の指のつけ根に広がる腱膜(けんまく/足底筋膜)のマッサージ
左右とも1分程度
手で足裏をゆっくり反らし、もう一方の手でつかむようにしてよく揉みほぐす
指を動かす小さな筋肉、足の内在筋(ないざいきん)のトレーニング
左右各5回程度
①椅子に浅めに座り、足を膝より前に置く
②すべての足指を反らす。指の間はできるだけ大きく広げる
③アーチを下げないように注意しながら、親指だけを下ろす。かかとが浮かないように、力を込める
④アーチを引き上げるような感覚で、親指以外の指も下ろす
⑤床をつかむような感覚で、すべての指を内側に折り曲げてつま先を持ち上げる
トレーニング
内在筋を伸ばし、鍛えるトレーニング(足指じゃんけん)
左右、各10回程度
足指をすべて内側に折り曲げ、足指の下の骨がしっかり隆起するくらいまで丸める
親指だけを立て、ほかの指は内側に折り曲げる。親指だけを折り曲げるパターンも行うとよりよい
できるだけ足指を大きく広げる。ヒール靴を履いた日はしっかりと行うとよい
歩きにくさなど症状がある場合には、アーチを支えるアイテムを活用する方法もあります。
「近くに足を診てくれるクリニックがある場合は、医療用インソール(靴の中敷き)の相談をしてみてください。これは眼鏡のようなもの。視力を矯正するように、アーチの崩れを矯正するものです。その人の足に合ったものを作ることができ、保険が適用されます。アーチの崩れから起こるさまざまな不調が改善されることもあります。クリニックがない場合は、シューフィッターのいる靴店で、相談するのもいいでしょう」
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