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イライラや疲労感…その症状、甲状腺ホルモンの乱れかも!?【バセドウ病・橋本病】(2/3)

掲載号 vol.48

甲状腺ホルモンは多すぎても、少なすぎても病気の原因に

生命維持に欠かせない甲状腺ホルモン

甲状腺ホルモンはどのように作られ、どのように働くのか、基本的なことをお聞きしました。

甲状腺ホルモンは、喉ぼとけの下にある蝶のような形をした器官【甲状腺】で作られます。あまり知られていない甲状腺ホルモンですが、実は生命維持に欠かせないもの。食事から摂ったタンパク質、糖質、脂質などの栄養素を、エネルギーに変換する働きがあるからです。甲状腺ホルモンが正常に分泌されることで、エネルギーが安定的に供給され、生命活動を維持することができるのです」

甲状腺ホルモンの量は常に一定であることが正常な状態です。多過ぎても、少な過ぎても不調が起こります。そのため、分泌量を一定に保つ仕組みがあります。

甲状腺ホルモンは
厳重にコントロール
されている
甲状腺ホルモン

甲状腺ホルモンは生命維持に欠かせないものだからこそ、分泌量を厳重にコントロールする仕組みがあります。血中の甲状腺ホルモンの量を脳(下垂体)が感知し、少ないときは、TSH(甲状腺刺激ホルモン)の分泌量を増やし、T3、T4(甲状腺ホルモン)の産生を促します。反対に多いときはTSHの分泌量を減らして、T3、T4の産生を抑えます。生命維持のためのセーフティネットと言えます。

「甲状腺ホルモンが多くなるとエネルギーが過剰になり、反対に少なくなるとエネルギーが不足します。エネルギー過剰は、身体が“働き過ぎ”になり、24時間、持久走をやっているような状態になります。心臓がバクバクし、息切れもする。そして疲れやすくもなります。逆に不足すると、身体が省エネ状態になり、体温が上がらず冷えが起こり、やる気も起きづらくなります。このように甲状腺ホルモンが多過ぎる、少な過ぎるときで、現れる症状は対称的なものが多くなります。また、多過ぎる場合はバセドウ病、少な過ぎる場合は橋本病といった病気が隠れている可能性もあります」

甲状腺ホルモンが
多過ぎるときの症状
甲状腺ホルモンが
少な過ぎるときの症状

甲状腺疾患は40代以降の女性に多い

甲状腺ホルモンの乱れは、男女どちらも起こる可能性がありますが、多いのは圧倒的に女性です。

「統計的に、特に40代以降の女性に多いとされています。なぜなのか、理由はまだはっきりわかっていませんが、免疫が関係していると考えられています。バセドウ病も橋本病も、自己免疫疾患のひとつとされています。自己免疫疾患とは、免疫システムに異常をきたす病気。私たちには、体内に入った細菌やウイルスなどを、異物として認識し攻撃する機能があります。これが正常な免疫システムの働きですが、なぜか異物ではない、自分の身体の組織や細胞まで攻撃してしまうエラーが起きることがあるのです。バセドウ病も橋本病も、このエラーによって起こるもの。なぜか甲状腺を異物だと認識し、攻撃してしまうのです。中には、妊娠をきっかけに、初めて症状が現れる人もいます。妊娠時は胎児を異物と認識しないように、免疫システムががらりと変わり、そして出産後にまた元の状態に戻ります。この大きな変化によって、エラーが起きやすくなるのではないかと考えられています」

現在の甲状腺疾患の罹患者数は500~700万人。そのうち治療が必要な人は約240万人と推計されています。しかし、実際に治療を受けているのは45万人と報告されています。甲状腺ホルモンの乱れは、医療機関でも原因がわかりにくい上に、本人も病気に罹っていることに気づきにくいのです。

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