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知っトク!?健康スキル

やる気・年齢のせいじゃない?足りないのは、鉄なんです!(2/3)

掲載号 vol.40

「仕方がない」と思うと気づきにくくなる、鉄欠乏。

健康診断ではわからない貧血も。

貧血を自覚している人はもちろんですが、健康診断などで「貧血の心配はない」と言われた人も気をつけるべきだと先生。

「貧血の判断基準は、ヘモグロビン濃度。成人女性では、12~15g/dLがおおむね正常の目安となる範囲ですので、12以下を貧血と考えます。検査結果を持っている人は、血液検査の項目の“血色素量(Hb)”を見てみてください。これがヘモグロビン濃度です。検査施設によっては、11前後だと軽度の貧血として問題なしとされることがあります。また、一年後の再検査など、“経過観察〟の判定に、治療不要なら心配することはないと、見逃している人も多いようです。貧血は、命に直結しないよくある病気だと、軽視されがちなのです」

また、ヘモグロビン濃度が十分でも、鉄不足の可能性もあるそうです。それが、“かくれ貧血”と言われる、潜在性鉄欠乏症です。

「体内にある鉄は、主に2種類。“酸素の運び屋”として日々使われる機能鉄と、普段は使われずに蓄えられている貯蔵鉄です。体内の鉄の65%は機能鉄としてヘモグロビンを作るのに使われ、30%は貯蔵鉄として肝臓などに蓄えられています(下のグラフを参照)。

体内の鉄には、
スタメンと控えが存在。

身体の中にある鉄の65%は、赤血球の中のヘモグロビンに。酸素の運搬に使われる、スタメン選手的存在です(機能鉄)。それが不足したときに備え、肝臓などにフェリチンとして鉄が貯蔵されています。スタメン選手がいなくなったときの控え選手のような存在です(貯蔵鉄)。また筋肉の中にあるミオグロビンは、酸素を筋肉内に貯蔵する働きがあります。

鉄の存在部位と、その働き

鉄の存在部位と、その働き鉄の存在部位と、その働き

機能鉄が不足すると、赤血球を作れなくなりますから、次に、蓄えられていた貯蔵鉄が使われていきます。貯蔵鉄は“控え選手”とも言うべき重要な存在。少なければ赤血球を作り出せなくなるギリギリの状態です。ただ、健康診断では貯蔵鉄の量(フェリチン値)を調べることはまれで、鉄不足に気づかないことがあります。フェリチン値が低い潜在性鉄欠乏症は、いわば貧血予備軍ですが、疲労感やだるさなどの症状が出ることがあります。思い当たる場合は、フェリチン値も調べてもらうといいでしょう」

楽しく運動を続ける。そのためにも鉄を!

だるい、疲れやすい、息切れする、寝ても疲れがとれない、寝つきが悪い……。そういった不調は“年齢のせいだから仕方がない”と見過ごされやすいもの。

「私が診ている患者さんにも、『まさか、自分が貧血だとは思っていなかった』と言う人が多いのです。でも、治療をしたら明らかに自分の変化に気づく人も多い。階段を上ると息切れしてつらかったという人も、貧血が改善すると『こんなに楽に階段を上れるなんて!』と驚かれます」

だるさや疲れがとれないなら、鉄が不足していないか、調べてみるほうがよさそうです。 これから運動を始めようと思い立ったなら、鉄を摂ったほうが続けやすくなります。

「鉄は血液や肝臓などに存在するほか、全体の5%ほどが筋肉の中にあります。筋肉の赤い色素成分であるミオグロビンの材料にもなるのです。ミオグロビンには、ヘモグロビンが運んできた酸素を受け取って、筋肉に貯蔵する働きがあります。鉄を摂ってミオグロビンがきちんと作られれば、筋肉に酸素が行きわたり、快適に運動ができるわけです。運動の機会がない人は筋肉量も少ないはずですし、その上鉄不足だと疲れやすくなってしまいます。すぐに疲れてしまうと、もうやりたくない……という気持ちになりますよね。楽しく運動を続けるためにも、鉄の補給は大切です」

アスリートの世界でも、筋肉ケアのためタンパク質摂取に加えて、貧血ケアとして鉄を摂ることが重要なのだとか。十分な鉄があれば筋肉にも鉄が回り、パフォーマンスの向上につながるのだそうです。

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