過度のブルーライトはご用心!きちんと知って光の有効活用を。
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過度のブルーライトはご用心!きちんと知って光の有効活用を。
目の老化の原因に!? 過度のブルーライトはご用心!
過度に浴びることで健康に悪影響!?
私たちの暮らしの身近にあるブルーライト。では、それは具体的にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
ブルーライトは高エネルギーな紫外線に一番近い性質を持つ光で、目の角膜や水晶体で吸収されずに、その先にある網膜まで達します。過度のブルーライトを目に入れることは、身体全体に悪影響を及ぼしかねないと指摘されています。
目のエイジングを早める可能性に指摘が。
そして、過度のブルーライトは目のエイジングとも無関係ではないようです。今まで、エイジングを加速させる原因となる光といえば紫外線でした。しかし、最近になり、類似する光であるブルーライトにもその可能性があるのではないかと考えられるようになりました。水晶体が白くにごり、視力の低下などを引き起こす白内障や、視界がゆがんだり、視野が部分的に見えづらくなるなどの症状が出る加齢黄斑変性症といった加齢性疾患への影響を含め、目下、研究が進められています。
坪田先生によると「長時間にわたりブルーライトを浴びることで起こる目の細胞の酸化についても研究中です」とのこと。
酸化は身体全体の健康や美容にとっても大敵。直接的なブルーライト対策に加え、食生活も意識して、身体の中の抗酸化力を高めておく必要がありそうです。サーカディアンリズムとの関係に注目!
ブルーライトの影響がおよぶのは目だけではありません。朝が来ると目が覚め、夜になると眠くなる……。このように人間の身体に刻みこまれたリズムを、サーカディアンリズムといいます。このリズムは38億年も前から存在するとか。ブルーライトは、実はこのサーカディアンリズムとの関係も大変注目されているのです。眠る前までブルーライトを浴び続けると、睡眠やサーカディアンリズムを整えるのに必要なメラトニンというホルモンの分泌量が大幅に減少するそう。日が沈んでからのブルーライトの出どころはLEDを用いた照明やスマートフォン、パソコン、テレビ、ゲーム機などです。
イギリスのエディンバラ睡眠センターの研究によると、就寝1時間前のメールチェックで、エスプレッソ2杯分の覚醒作用があると報告されています。睡眠の質が落ちると、それに伴い、日常の活動量まで低下してしまうことは想像に難くありません。スマホやテレビに熱中すると”隠れ時差ボケ”に!?
夜勤が必要な仕事など勤務時間の不規則な人が、体調不良や不眠などに悩まされることがあります。海外に旅行した時に起こる時差ボケ状態が、日常的に続いているイメージです。規則的なサイクルで生活をされている方は一見関係のないように思えますが、日が沈んでからもLED 液晶画面から発せられるブルーライトを浴び続けることで、誰もが”かくれ時差ボケ”状態になりかねないのです。
サーカディアンリズムを調整! 実は身体に不可欠な ブルーライト。
ブルーライトなしでは身体は目覚めない。
しかし、逆に朝から昼にかけて、青空の下でしっかりとブルーライトを目に入れると、身体は本来のリズムを取り戻します。海外旅行で時差ボケになった時、日中、外に出て日光浴をすると調子が戻ると言われるのも、ブルーライトを浴びることでサーカディアンリズムが整うから。ブルーライトは私たちの身体になくてはならないものでもあるのです。知って仲良くなる!ブルーライト。
昼夜の境なしにデジタル機器に触れる現代社会。サーカディアンリズムは乱れ、目は過度のブルーライトにさらされ続けています。スマートフォンやパソコンがこれほど普及した今、それらを使わないようにするのは無理でも、特に夜間は使い方を工夫して、LED液晶画面から発せられるブルーライトをなるべく遠ざけることが賢明です。「ブルーライトは、日中しっかり浴び、逆に夜はできるだけ遠ざけることが大切なのです」と、坪田先生。
この機会に、自身のライフスタイルを一度振り返ってみましょう。