旬が大事!季節ごとに、必要なチカラがあります。
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旬が大事!季節ごとに、必要なチカラがあります。
栄養価、味、機能も倍増!食べるべきは旬の野菜。
市野先生は、その試食販売をきっかけに、野菜のチカラについてより考えるようになったとか。「どの野菜も抗酸化力を備えていますが、ではそのチカラが弱い野菜は食べても意味がないの?
という疑問が湧いて。そこからさまざまな野菜を分析していくと、抗酸化力の弱い野菜は、別のチカラが強いことがわかったんです。それは、ウイルスなどから身体を守る"免疫力"、毒素の排出を促す"解毒力"。『ベジマルシェ』では、シンプルに抗酸化系、免疫系、解毒系の、3つのチカラに分類して野菜を販売しています」
それら野菜のチカラを上手く活用するためには、食べる時期を工夫するとより効果的だそうです。「実は人間の身体には一年の中でリズムがあり、特に四季のある日本では、その季節に合わせて食べるべき野菜も異なります。例えば春は、解毒の必要な季節です。人間は排泄だけでなく、汗でもデトックスをしていますが、冬は汗をかきにくいので、余分なものを溜め込みがちなんです。暖かくなると散歩したい、身体を動かしたいと感じるのは、解毒のための本能的な欲求なんです。そしてそれに合わせるように、解毒系である山菜も生えてくるんです」
摂りたい野菜はその季節に旬を迎える。
では、これから迎える夏はどのチカラを持った野菜が必要なのでしょうか。「紫外線が強くなり活性酸素を増加させますから、それを消去するために抗酸化系の野菜を摂りたいですね。その代表であるパプリカやトマトなどの、あの鮮やかな色は、野菜自身が紫外線から身を守るために作り出したもの。その色素にこそ抗酸化力があるんですよ」。
風邪やインフルエンザが流行する秋から冬は、免疫力を高める必要があります。「この季節は免疫力の増減に影響する、自律神経のバランスが崩れやすい季節です。だから風邪やインフルエンザなどの病気が流行ってしまうんですね。そこで秋から冬には、免疫系であるきのこが採れるようになります。
不思議なことに食べるべき野菜は、その季節に旬を迎え、健やかな身体をつくるためのチカラを最大限に発揮するのです。今のように薬が豊富ではなく、医療も発達していなかった時代、冬至にかぼちゃを食べたり、風邪をひけば焼いたねぎを首に巻いたりと、野菜で体調を整えていました。身体が必要としているものを、野菜のチカラで補っていたのです。旬の野菜をおいしく食べることはこのように、今何が自分の身体に必要か、何が足りないのかを感じられることにもつながるのです」
旬を迎えた野菜は、そのチカラ、おいしさが高まることは、数値でも見て取れます。上のグラフはほうれん草のチカラを示したもので、①②のグラフを併わせて見ると、ほうれん草の旬である12~3月は、抗酸化力も高く、ビタミンC 含量や糖度もぐんとアップしていることがわかります。反対に旬ではない夏は、どれもが下がっています。夏のほうれん草では、ポパイはパワーアップできない、と言えそうです。夏に葉物野菜をいただくなら、5~8月が旬で、この時期にチカラが最も強くなる明日葉やつるむらさきをどうぞ。旬の野菜を摂れば、その野菜の持つチカラもしっかりいただけます。