疲れを残さない。疲れにくい身体を作る。
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疲れを残さない。疲れにくい身体を作る。
効果的なアンチエイジングには、疲れをきちんとケアすること。一日の疲れの回復に加えて、疲れにくい身体作りも大切です。先生にうかがったケアの方法は生活の中でできる簡単なものでした。
疲労感だけでなくきちんと疲労を取り除く。
スタミナ食や熱いお風呂は、疲れが取れるわけではなく、幸福感などによって疲労感が薄れるだけ……。では、アンチエイジングにもつながる、本当の疲労ケアとはどんなものなのでしょうか?
「最も重要なのは睡眠です。睡眠中は、活性酸素の発生が抑えられますから、その間、脳をはじめ、あらゆる細胞が修復されるのです。質のよい睡眠をとることが、翌日まで疲労を持ち越さない一番いい方法です」
疲労回復を促すことに加え、疲れにくい身体を作ることも、疲労のケアにはとても大切なのだそうです。
「疲労は休むことで回復しますが、疲労の度合いが大きいほど、回復に時間を要します。その時間を短縮するために、疲れにくい身体作りも重要なのです」
あなたに足りないアンチエイジング法は、“自分自身をきちんといたわる”ことだったのかもしれません。無理をせず疲れをケアすることが、きっとハッピーな未来につながります!
近年の研究から、イミダペプチドという成分に、高い疲労軽減効果があることがわかりました。イミダペプチドは、動物の身体の中で最も酷使する部分に存在し、疲労しないように助ける働きを持つ成分。長距離を移動する渡り鳥や、ずっと泳ぎ続けるマグロやカツオに豊富に含まれています。イミダペプチドを豊富に含む食材は鶏の胸肉。安価で入手しやすく、しかも低カロリー・高タンパク。上手に食事にとり入れましょう。
疲れやすさと深い関係があるのが、体力。体力は、車のエンジンのようなもの。軽自動車のように小さなエンジンの車が高速で長距離を走ると故障してしまいますが、スポーツカーのような大きなエンジンの車であれば何の問題もありません。年齢を重ねるごとに体力が落ちていくのは、エンジンのサイズが小さくなっていくようなものなのです。疲労を起こしにくくするためにエンジンを小さくしないこと、筋トレや軽い運動で、体力をつけておくことが疲れにくい身体作りに役立ちます。
激しい運動やストレスと同様、紫外線も細胞を錆びさせる活性酸素の発生源。肌老化を防ぐために日やけ止めを塗ることに加えて、サングラスをかけることもお忘れなく。目から入ってくる紫外線は、シミの原因になるだけでなく、疲れの原因にもなるのです。マラソン選手がサングラスをかけるのは、単に太陽がまぶしいという理由でなく、紫外線が招く疲労を防いでいるのです。紫外線は3月から強くなりますので、特に気をつけましょう。
睡眠中は細胞が修復される大切な時間ですから、睡眠不足になれば細胞の修復度合いも下がります。ですが、ただ長時間眠ればいいというわけではありません。質のよい睡眠をとることが大切です。睡眠中は、浅い眠り【レム睡眠】と深い眠り【ノンレム睡眠】が繰り返されます。この【ノンレム睡眠】を増やすことが質のよい睡眠。このときに脳が休息をしているからです。質のよい睡眠のためには、生活リズムを整えることが効果的。毎日同じ時間に就寝、起床する、起きたら朝日を浴びるなど、リズムを大切にしましょう。
毎朝基礎体温を記録するように、睡眠による疲労回復度をチェックしてみましょう。下にあるような表を作り、すっきり目覚められたかどうか、その度合いを毎朝書き込みます。目覚めてすぐの、ぼんやりしている状態で行うのがベスト。その日の予定が頭によぎると感覚に影響が出るからです。すっきり目覚められなかった日が続いている場合は、仕事や運動などをがんばり過ぎている証拠。疲れが回復しきれていないということなので、仕事や運動などを少し控えるようにしましょう。
勉強中の子どもの「飽きた!」はどうすればいい?
「飽きた」は、疲れのサイン。勉強中の子どもも疲れているということ。無理に続けさせることはよくありませんが、少し工夫すればまた、勉強がはかどるようになるのだそう。
「どんな人も集中できるのは1~1時間30分ほど。気分転換をさせるほか、勉強する科目を変えるのも効果的です。例えば数学をやっていたのなら社会に。数学と社会は違う脳の部位を使うからです。それから、科学的に疲労軽減が認められている新緑の香りを嗅がせるのもいいでしょう。アロマオイルなどを使うと便利ですよ」