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内から外から美容ケア

ダイエットの前に知っておきたい!脂肪はキレイの味方です!(3/5)

掲載号 vol.21

内臓脂肪は、“量”が大切!

内臓脂肪が増え過ぎると、悪玉物質が活発化!

命をつなぐ役目を果たす上、健康な身体を維持するために欠かすことのできない物質「アディポネクチン」を分泌する脂肪。私たちの身体を守ってくれる大切な脂肪を、むやみに落とそうとするのは、実にもったいないことです。 ただし、そこに注意すべき点がないわけではありません。脂肪から分泌されるアディポサイトカインの中に存在するのは、「アディポネクチン」のような善玉ホルモンばかりではないからです。 悪玉物質であるPAI-1やTNF-α(下のコラムで詳しく)なども同時に生んでしまうので油断は禁物。そしてこれらの悪玉物質は「アディポネクチン」と違って、内臓脂肪が増えるほど、その分泌量が増える性質を持っています。
「内臓脂肪が増えると、体内で炎症を引き起こす悪玉物質TNF-αが多く分泌されるようになります。それがアディポネクチンを作る機能を低下させ、アディポネクチンの分泌量を減少させてしまうのです」 さらに、松澤先生によるとそれだけではないようです。 「エネルギーが過剰になると、脂肪細胞が肥大し、酸素不足や活性酸素によってダメージを受けます。それもまた、アディポネクチンの分泌を減少させてしまうことになります」

現代人の健康を、左右する内臓脂肪。

体内の“消防隊”となって生活習慣病を予防・改善してくれる「アディポネクチン」はどんどん増やしたい。また、悪玉物質の増加を抑え、「アディポネクチン」を活性化させたい……。 そのためにはどうすればいいのでしょうか。松澤先生にうかがうと、その答えは思いのほかシンプル。誰でも簡単に取り組めることでした。 「内臓脂肪に意識を絞ることです。脂肪をすべてひとくくりにして、ただ落とそうと躍起になるのは間違い。日本人女性は皮下脂肪が多く、内臓脂肪は少ないタイプが多いので、必要以上に神経質になることはないのです。ただし、閉経後は女性ホルモンの減少によって内臓脂肪が増えやすくなるので気をつけましょう」 また、年齢、性別にかかわらず、お腹がポッコリ出た“りんご型体型”の人も要注意だと松澤先生。見た目や体脂肪率だけではわからない“隠れ内臓脂肪”の可能性があるというのです。次ページでは、自分では気づきにくい内臓脂肪について紹介します。

生活習慣病を引き起こすきっかけ!? 内臓脂肪が生む、悪玉物質とは?

「アディポネクチン」のような超善玉が存在する一方で、アディポサイトカインの中には生活習慣病を起こしやすくする物質も。 例えば血液を固める作用があるPAIー1(パイワン)という物質もそのひとつで、PAIー1が血液中で増えると血栓ができやすくなります。 次に体内で炎症を引き起こす物質、TNFーα(ティーエヌエフアルファ)。これも脂肪細胞から分泌され、動脈硬化のリスクを高めることが心配されています。というのも、血管は年齢とともに老いていき、硬くなったりもろくなったり、コレステロールなどが溜まって狭くなる傾向にあります。そんなときにTNFーαによって血管壁に炎症が起こると、動脈硬化が一気に進んでしまうことに……。こうなれば最悪の場合、心不全や心筋梗塞、脳梗塞を引き起こすこともあります。 また、TNFーαには血液中の糖分をコントロールするインスリンの働きを抑制してしまう性質も。そのため、糖尿病の発症や進行にも影響を及ぼすと考えられているのです。

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