生活習慣病が認知症に関係!?
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生活習慣病が認知症に関係!?
私たちの身近な存在となっている生活習慣病。実はこれが、認知症のリスクを高めることがわかってきました。生活習慣病も認知症も、健康な未来のために予防したいもの。備えるなら、毎日の生活を今から見直すことが最善の対策です!
発症リスクへの対策は、生活習慣の改善から!
「認知症には、生活習慣も大きく関係していて、特に、潜伏期間と言われる約20年の間にどんな生活をするかがとても重要です。最近の研究では、高血圧や糖尿病、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病が、認知症を発症するリスクを高めることがわかってきました。食生活の乱れや運動・睡眠不足、ストレスなどが原因の生活習慣病によって血液の流れが悪くなると、脳の血管が障害を起こし、記憶能力を低下させていきます。生活習慣病の中でも近年急増している糖尿病は、アルツハイマー型認知症の要因となっている可能性が高いという研究結果も報告されています」と朝田先生は言います。
普段の食生活や運動不足がまさか認知症にまで関係するとは驚きです。朝田先生によると、認知症予防にいいとされる食材があること、有酸素運動が予防に効果を発揮することが研究でわかってきたそうです。毎日の生活にこれらをとり入れて、今から対策を始めていきましょう!
認知症予防にいい栄養が、魚には2種類も含まれる!
青魚には、必須脂肪酸と呼ばれるDHA(ドコサヘキサエン酸)があることはよく知られています。このDHAは脳の神経組織の発育や機能維持に必要な栄養素で、脳の情報伝達をスムーズにする働きがあると言われています。また、この必須脂肪酸にはもうひとつ、EPA(エイコサペンタエン酸)という栄養素が含まれているんです。DHAが主に脳の働きに必要な栄養素なのに対し、EPAは血液中の中性脂肪を正常に保つ、つまり血液をサラサラにしてくれる栄養素。血液中に増えることで、脳神経細胞膜の機能を高める作用も注目されていて、これがアルツハイマー型認知症の予防に効果があるとされているんです。青魚にも含まれていて、最も多く摂取するには、刺身がいいそうですよ。
和食中心の食生活で脳を若い状態に保つ。
食生活で若い脳を保つことも、予防に効果的です。ポイントは「減塩」「抗酸化」「減コレステロール」。塩分やコレステロールは身体に必要なものですが、摂り過ぎは血管を老化させ、脳への血流を減らします。そうならないためには、肉よりも魚、海藻やきのこ類を積極的に摂取できる和食中心の食生活がいいそうです。
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海藻にはコレステロールを下げる効果もある食物繊維、血圧を下げる効果のあるアルギン酸が多く含まれています。よく噛むことで、脳の活性化にもつなげましょう。
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鯖やいわしなどに含まれる不飽和脂肪酸は、血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らします。血液サラサラに効果的な食材です。
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食物繊維が豊富なだけでなく、血圧低下に役立つカリウム、ビタミンを多く含みます。低カロリーですし、脂質異常症対策や動脈硬化の予防にもいいんです。
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ネバネバに含まれるナットウキナーゼという酵素は、血栓を溶かす効果を持っています。脳への血流を増加させるだけでなく、脳梗塞予防にも効果的だとか。
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緑黄色野菜に含まれるビタミンやミネラルが、脳の活性化には必要です。野菜に含まれる食物繊維は、血液中の悪玉コレステロールの減少にも役立ちます。
20分以上の有酸素運動で脳への血流量をアップ。
身体に酸素をとり入れながら行う有酸素運動は、効果的に行うことによって脳に酸素が取りこまれ、前頭前野や海馬の血流を増加させることができます。それが脳の血流アップにつながり、予防に有効だと言われているのです。ポイントは、定期的に20分以上行うこと。ただし、いきなりハードに行うのではなく、無理なく継続できる運動から始めましょう。
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ウォーキングと同じくらいか少しゆっくり走るスロージョギングがオススメ。週に2、3回程度、軽く汗をかく程度に。
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下半身を鍛えながら持久力アップにもつながるサイクリングも効果的。買い物など、毎日の生活で気軽にとり入れられる運動です。
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全身の筋肉を鍛えられる水泳は、有酸素運動の中で最も効果が高いそうです。ゆっくりしたペースで泳ぐことを心がけましょう。