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知っトク!?健康スキル

生活習慣と早期発見がカギ!認知症対策、最前線!(3/5)

掲載号 vol.19

認知症ってどんな病気?脳の萎縮が起き、機能にも異変が!?

認知症のもの忘れは、障害の始まり。

認知症とは脳の後天的な障害のことです。私たちの脳は、いろいろな活動をうまくコントロールしていますが、なんらかの原因で脳の神経細胞が減少・死滅すると、コントロール機能が正常に働かなくなり、認知症を発症します。原因によって主に4つのタイプに分かれますが、多くは発症初期にもの忘れから障害が出始め、その後、時間や場所の感覚、行動、感情などにも障害が出てきます。

加齢が原因の場合は年齢を重ねるごとに症状が多少ひどくなることはあっても、ほかの機能に異変はありません。しかし認知症の場合はもの忘れが始まりで、そこからほかの機能にも異変が起きてくるのです。

認知症の多くを占めるアルツハイマー型認知症の場合は、長い期間に少しずつ、アミロイドβ(ベータ)という特殊な異常タンパク質が脳に蓄積されていきます。その結果、脳の神経細胞が死滅して障害が出るようになり、記憶を司る海馬という場所が萎縮して脳の内部に空洞が広がるなど、脳そのものにも変化が出てきます。

認知症は、原因がまだ解明されていないばかりか、発症後は少しずつ進行し、元に戻すことができません。研究によって,進行を遅らせたり症状を緩和させる治療薬も登場していますが、それも根本的な解決策ではないのです。だからこそ、できるだけ早く変化に気付き、医師に相談、早期発見できるようにしましょう。

知っておこう その1
認知症ってどんな病気?

脳の細胞が死んだり、働きが悪くなることで起こります。もの忘れに始まり、記憶・判断力の障害など段階を追って進行していきます。症状や脳内の萎縮する場所によって主に4つのタイプがあります。

  • 脳血管性認知症
  • アルツハイマー型認知症
  • 前頭側頭型認知症
  • レビー小体型認知症

知っておこう その2
どんな症状が出るの?

脳の神経細胞が死んでいくと、自分の周りの現実を正しく認識できなくなります。大きく5つの障害が出ますが、ほかにも、うつや妄想といった心理面・行動面に影響が出ます。

  • 理解・判断力の障害
  • 記憶の障害
  • 感情表現の障害
  • 実行機能の障害
  • 時間・場所感覚の障害

知っておこう その3
進行するとどうなるの?

認知症が進行していくと脳が萎縮していきます。さらに心理的、環境的などの要因が重なり、徘徊や不眠を引き起こすようになっていきます。

健常な高齢者の脳の断面。アルツハイマー型認知症の場合は、脳内部の海馬の異変が特徴的です

左の写真は、脳を正面から捉えたMRI写真です。脳の下部にあり、記憶を司る海馬という部分に注目してみましょう。正常に機能している脳(写真左下)と違い、アルツハイマー型認知症になると海馬が萎縮します。その影響で海馬があった場所に空洞ができ(写真右下)、症状の進行とともにこの空間が広がっていきます。

  • "正常な状態"の脳の海馬

    正常な状態の脳の海馬

    全体的にギュッと詰まっていて、空洞がほとんどありません

  • "アルツハイマー型認知症"
    の脳の海馬

    アルツハイマー型認知症の脳の海馬

    海馬が萎縮し、脳内部に空洞(ピンクの部分)が広がっていきます

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