問題はコレステロール値だけじゃない!?「血管ケア外来」で、動脈硬化を正しく知る。
読了時間:18分
問題はコレステロール値だけじゃない!?「血管ケア外来」で、動脈硬化を正しく知る。
コレステロール値が正常な人も安心しないで! 動脈硬化のリスクはほかにもあるのです。
健康診断だけでは分からない“血管の状態”を検査できる、専門外来を訪ねました。
遺伝や加齢、歯周病も動脈硬化のリスクに。
LDLコレステロール値と動脈硬化の関係は、ここまでにお伝えしましたが、では、LDLコレステロール値が正常なら、動脈硬化の心配はないのでしょうか? 『下北沢病院』の「血管ケア外来」でお話をうかがいました。
「残念ながら、動脈硬化のリスクはほかにもあります。例えば喫煙、糖尿病、高血圧。その他、遺伝や加齢、酸化、炎症、ビタミン不足なども挙げられます」と、「血管ケア外来」の石川和利先生。
「実は、歯周病も動脈硬化のリスクなんです。歯周病菌は血流に乗って全身へ運ばれますから、さまざまな病気の原因になるんですね。実際に、血管内のプラークから、歯周病菌が発見されたという事例もあります。そういったことから、LDLコレステロール値が正常であっても、動脈硬化の心配がないとは言えないのです」
少し怖い話ですが、健康診断では問題がなくても、動脈硬化が進行しているケースもあるのだそうです。
「動脈硬化は、昨日、今日で起こることではなく、数年間の蓄積によるもの。ですから前日の食事内容が数値に影響することもある健康診断だけでは、血管の本当の状態は分かりづらいのです。『血管ケア外来』では、血管の硬さや、血管の年齢まで総合的に調べます。結果、健康診断レベルではとても健康的に見える人から、深刻な動脈硬化が見つかったこともあるんです」
動脈硬化が引き起こすのは、心筋梗塞、脳梗塞といった重大な病気。動脈硬化が進行すると危険なのですが、多くの人がその進行に気付かないのは、健康診断の数値には現れにくいことに加え、自覚症状がないことも挙げられます。
静かに進行する動脈硬化は“サイレント・キラー”とも。
「動脈硬化は自覚症状がなく進行するので、検査を受けるきっかけがない。そうして、深刻な状態が気付かないうちに進行し、ある日突然死に至ることもあり“サイレント・キラー(沈黙の殺人者)”と言われています。最悪の事態になる前に、ご自身の血管の状態を正しく知っておいてほしいと思います」
深刻な病気を引き起こす原因でありながら、健康診断の数値に現れにくいことや、自覚症状がないことで、気付かないうちに進行してしまう動脈硬化。早期発見と治療、生活習慣の改善が大切です。
病気の原因である動脈硬化そのものを改善させる。
動脈硬化の予防のためだけでなく、早期発見し、治療することができるのが検査のメリット。
「当院は、動脈硬化を原因とする病気の治療ではなく、病気の原因である動脈硬化そのものを改善させることを目的としています。血管の状態や求める効果によって、点滴治療やサプリメント処方を行います」
動脈硬化はもちろん、あらゆる生活習慣病の改善の基本となる、食事や運動についてもサポート。“血管を若返らせる”という視点で、動脈硬化を改善に導いてくれます。
コレステロールや、動脈硬化に関心を持った今こそ、自身の本当の健康を見直すチャンスかもしれません。
「血管ケア外来」はここにあります
下北沢病院
東京都世田谷区北沢2-8-16
☎03-3460-0021(予約受付は日曜、祝日を除く13:00~17:00)
血管ケア外来診察日/毎週火曜 診察受付時間/8:30~11:30、13:30~16:30
スタンダードチェックプラン¥31,500 メタボチェック¥10,500などオプションあり
「血管ケア外来」では、さまざまな方法で血管の状態を調べます。
血液検査、頸動脈エコー、CAVIで血管の状態を詳しく調べます。
専門外来ならではの多彩な検査で、動脈硬化の有無を判定します。
本誌スタッフも検査しました!
「血管ケア外来」で検査を受けたところ、スタッフふたりに動脈硬化が判明。
さまざまな角度から調べることによって、動脈硬化の状態が詳細に分かりました。