【基礎編】自覚症状を伴わない動脈硬化、コレステロール値&中性脂肪値を目安に。
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【基礎編】自覚症状を伴わない動脈硬化、コレステロール値&中性脂肪値を目安に。
健康診断などでコレステロールや中性脂肪の値に異常が見つかったなら、対策を先延ばしにしてはダメ。
深刻な問題を引き起こす動脈硬化が静かに進行しているかもしれません。
あなたは当てはまる!?脂質異常症4タイプ。
コレステロール値や中性脂肪値の異常には自覚症状がありません。だからつい対策を先送りにしがちです。加えて、私たちのまわりには常にさまざまな情報があふれ、時にはそれが迷いの元になったりも。コレステロール値に関しても同じことが言え、目新しい情報に出くわすたびに一喜一憂…、そんなこともあるでしょう。実際、中谷先生のクリニックを訪れる患者さんの中には、混乱している人もいたといいます。
「関心を持つのは良いこと。だけど正しい認識が自分を守ることも忘れずに」中谷先生も、そう注意を喚起します。
そのためにも、まずは健康診断で出た総コレステロール値とLDLコレステロール値、中性脂肪値を手掛かりに、今の自分の健康状態をチェック。
脂質異常症の疑いがあるかどうか、もしそうだとすると、どのタイプに当てはまるかを知ることからスタートを。そして、一番必要な対策はどんなものかを見極めるよう努めましょう。
あなたはいずれかのタイプに当てはまる!?
健康診断の結果で出た数値をもとに、自分が当てはまるタイプをチェックし、
次のページで紹介する「LDLコレステロールの目標値」の手掛かりにしましょう。
こうして進行する動脈硬化。
LDLが増え、HDLが減ってコレステロールのバランスが崩れた状態が続くと動脈硬化が進行します。しかも、自覚症状を伴わないだけに、「まだ大丈夫」と思いがち。ここでは、実際には見ることのできない血管の中の様子を追いながら、放置しておくとどうなるかに迫ります。
まず、LDLコレステロールが血液中に増え過ぎると、血液はドロドロに変化し、血管壁に付着しやすくなります。そして、付着したLDLコレステロールはやがて血管壁の内側に入り込み、活性酸素により酸化され、「酸化LDL」という“超悪玉”に。次にその酸化LDLは、マクロファージという細胞に取り込まれます。
さらに、酸化LDLで満たされたマクロファージは泡沫細胞に変わり、肥厚したプラークが形成されます。これが動脈硬化の始まりです。
気付かずにいるとプラークは少しずつ大きくなり、血管壁を押し上げます。狭くなった血管は、当然その分血流も悪くなります。そして、動脈硬化の進行により形成されたプラークに何らかの刺激が加わって亀裂が入ります。するとそれを修復しようとそこに血小板が集まり、血栓(血のかたまり)を作り始めます。その血栓が血管をふさぐようになると、脳梗塞、心筋梗塞など重篤な病気を発症させることに。これらは自覚症状なく進行するため突然起こるように思われがちですが、実はゆっくりと忍び寄っているのです。