筋肉は姿勢を美しくします。
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筋肉は姿勢を美しくします。
座りっぱなしに注意。お尻の筋肉はとても重要!
安藤先生によると、立つ、歩く、座るなど日常的な動作の中で、最も大切な役目を果たしているのが、実は“お尻の筋肉”なのだとか。
「巨大な上半身を脚の上に固定しておけるのは、大臀筋というお尻の筋肉があるおかげ。お尻の筋肉は上半身と下半身をつなぐ蝶番(ちょうつがい)の役目をしているので、日常的な基本動作、姿勢の維持に関わっているんです」
ところが、長時間座ったままだったり、日常生活の中でこの筋肉を動かす機会が減ったりしてしまうと、お尻の筋肉は衰えていく一方。立ち上がったり歩いたりという、基本的な動作がおっくうになってしまいます。お尻の筋肉をきちんと鍛えれば、積極的に歩けるようになる上、腰の負担を軽減することもできるのだそうです。
「股関節を包む筋肉ですし、歩くという動作を生む中心ですから、ロコモティブシンドロームの予防にもなりますよ」
デスクワークが多い人や、家で座っていることが多い人は、お尻の筋肉をしっかり鍛えるようにしましょう!
正しい姿勢の維持が将来的なロコモ予防に!
意外に気付いていない人が多いようですが、見た目の印象に大きくかかわっているのが姿勢。
「背中が丸くなっていると、どうしても年齢を感じさせてしまいます。美しい姿勢は、見た目にも若々しく健康的。その美しい姿勢を保つためにも筋肉が働いているんです」
体重を落として痩せるだけでは、キレイになれない理由のひとつがこれ。筋肉がないと美しい姿勢を保てなくなるのです。
「理想は、頭の上から糸で引っ張られているように、足や背中がピンと伸びた状態。筋肉が衰えると、その姿勢を維持できなくなって、猫背になり、膝も開き気味に曲がってしまいます」
このような姿勢は、筋肉をさほど使わず楽であることから、自然にその姿勢を取ってしまうそうですが、そうしてだんだん筋肉が使われない状況になり、“廃用性筋萎縮(はいようせいきんいしゅく)”を起こし、ますます筋肉が衰えていくのだそうです。放っておくと、年齢を感じさせる見た目になるだけでなく、日常生活に支障が出るほど、腰や膝が大きく曲がった状態になる危険性もあります。
美しい姿勢を取るにはまず肩甲骨を正しい位置にセットすることが効果的だそう。
「背中にある菱形筋(りょうけいきん)をはじめとする、肩甲骨周りの筋肉をつければ、美しい姿勢を目指せます。肩甲骨が正しい位置に戻ると、腕を上げる動作などもスムーズになるので、肩こりや四十肩・五十肩も改善できます」
姿勢がよくなると胸が開き、呼吸がしやすくなることで心肺機能アップにもつながるそう。
太りにくい身体を目指して始めた運動が、さまざまな不調の改善につながって、ずっと自分の脚で歩ける未来へも続く。筋肉は身体にいい連鎖をもたらして、あなたをきっと美しく健康的に変えてくれるはず。気付いた今こそ、貯筋の始め時です。
背中側のエクササイズ
お腹側同様、❶から❷の動作を5秒を目安に行いましょう。1セット10回×2、週に2回行うのが理想。できるものからとり入れて長期的に続けるのが大切です。
お尻のエクササイズ A
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❶仰向けに寝転がり、両脚を肩幅に広げる。かかとは膝下あたりに置くイメージ
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❷お腹を締めるようにして、腹筋運動の要領でお尻を持ち上げる。勢いよくするのではなく、ゆっくりと
片脚を膝にのせて行うと負荷がかかるので、より貯筋に効果的
お尻のエクササイズ B
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❶お腹に少し力を入れて四つん這いになる。両手と両膝を軽く開く
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❷片脚を、後ろに真っ直ぐ伸ばす。次に脚を変え、左右セットで行う
お尻のエクササイズ C
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❶脚を腰幅くらいに開く。そのまま大きく一歩、前後に開脚してスタンバイ
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❷後ろ脚の膝が床に付かないよう腰を下に落とす。次に脚を変えてセットで行う
背中のエクササイズ
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❶脚を肩幅に開く。片脚を前に出し前傾姿勢を取る。片手を膝に置いて身体を支え、もう一方の手でダンベルを持つ
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❷胸を張ったまま、肩甲骨を背中の中央に絞り込むように腕を引き上げる。ダンベルを持つ手を変え、左右セットで行う
NG姿勢
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力が逃げてしまうので、上半身をひねらないように注意して!
表情から若々しさを。笑顔も筋肉が作る!
- シミやシワ、たるみだけでなく、実は、人に与える印象は、表情も大きく関わっています。口角が下がって怒ったような表情になると、実年齢より老けて見られることも。笑顔を作るのは表情筋という顔の筋肉。普段から口角を上げることを意識したり、マッサージをとり入れたりして筋肉を動かすと、顔にハリが出て若々しい印象に!