多くの女性が悩まされている気象病。不調とうまくつきあっていくために何をすればいいのでしょうか?気象病に詳しい後山先生にお聞きします。
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頭痛
本誌編集部に届いた、読者のお悩みの声
・梅雨の時期に頭痛がする。(41歳・女性)
・雨が近いと、頭が痛くなり、耳鳴りもある。ひどいときは吐き気も……。(46歳・女性)
・雨が降るという予報よりも、1日~半日早く頭痛が起こる。(41歳・女性)
・大雨や台風の3日前くらいから、頭が痛くなります。(42歳・女性)
・私の子どもが、くもりの日に頭痛がするそうで心配。(53歳・女性)
雨が降る前日から症状が出る人も。
本連載を担当します、大阪医科大学 健康科学クリニックの後山です。気象病にお悩みの方々へ向けて、少しでもココロが晴れるようなお話をさせていただきますね。
さて、6月に入りました。もう梅雨入りしている地域もあるでしょうね。雨やくもりの日が続いて、ただでさえ憂鬱な気持ちになるこの時期、気象病に悩む人にとっては、とてもツライときです。僕のところへも、体調がすぐれないと言ってやって来る患者さんが、かなり増えるんですよ。
漢方医学では、気象変化によって起こる不調の多くは、【水毒】と考えます。汗やリンパ液など体液の循環が悪くなった状態。余分な水分が排出されず、体内に溜まってしまうことで症状が現れるのです。梅雨どきは湿気が多く、汗をかきにくくなりますよね。それもあって、具合が悪くなりやすいんですよ。
梅雨の時期に最も多い不調は、頭痛です。気圧が下がると血液に水分が溜まって、血管が拡張することで起こります。血管がむくんだようになって、神経を圧迫するので痛みが出るんですね。気圧の変化にとても敏感な患者さんからは、「雨が降る前から頭痛が起こる」とも聞きます。
雨を予感できることは才能のひとつ。
頭痛にもさまざまな種類がありますが、気象の変化で起こる頭痛として最も多いのは、片頭痛。ズキン、ズキンと脈打つように痛むのが特徴です。“片”頭痛という名前の通り、頭の片側だけに起こることが多いのですが、両側に起こることもあります。
「中には、緊張型頭痛が現れる人もいます。頭がぎゅーっと締めつけられるような痛みが特徴の頭痛です。ただ、この頭痛は血管が拡張して起こるものではありません。後頭部や首の後ろ側の筋肉が収縮することで起こるのです。気圧の変化によって血管に影響を受ける人、筋肉に影響を受ける人、その人によって反応が違うんです。本当に厄介ですよね。
これら気象の変化で起こる頭痛の助けになるものとして、【五苓散】という漢方薬があります。水分バランスを整えるお薬です。片頭痛にも緊張型頭痛にも効果がありますよ。痛みが現れたときに服用してもいいですし、『明日は雨が降る。頭が痛くなりそうだ』とわかったときに、飲んでおいてもいい。梅雨の時期は特に、心強い味方になると思いますよ。
すぐになんとかしたい! というときは、市販の鎮痛薬を服用するのもいいでしょう。ガマンはしないほうがいいですからね。
天気頭痛*1に悩む人に!漢方処方の医薬品。
5種類の生薬から構成される【五苓散】エキスを配合した『キアガード』。
漢方の働きで、気圧の変化などによる頭痛を抑えます。
24錠(6包) 第2類医薬品 ¥1,300(税抜)
販売名/キアガード
体力に関わらず使用でき、のどが渇いて尿量が少ないもので、めまい、はきけ、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴うものの頭痛、むくみ
*1天気(気圧)の変化などによる頭痛 商品詳細はこちら薬に頼らないようにするためには、運動を習慣に。汗をかいて、水分を溜め込まない身体を作っておくためです。激しい運動でなく、じわっと汗をかくくらいの軽い運動で十分。しっかりストレッチをしたり、ちょっと速く歩いたり。それを習慣にしておくと、気圧の変化に対して、身体がびっくりすることが少なくなるでしょう。
それから、水毒だからと、水を控えてはいけません。水分はきちんと摂って。控え過ぎは、血流を滞らせることにもなりますからね。
気象病は、個性。自分の個性として、上手くつきあっていきましょう。雨を予感できるのは、才能のひとつ! その才能を活用する、あるいは天気予報をチェックしておく。それで事前に対処することもできます。快適に暮らすために、自分を守る方法を持っておいてくださいね。
頭痛とうまくつきあうための3か条
1. 気圧の変化による頭痛は[水毒]によるもの。普段から運動をして、汗をかける身体に。
2. 水分の控え過ぎはダメ。血流が滞ることにもなるので、適切な水分補給を!
3. 痛みが現れたらガマンをせず、早めにお薬を服用しましょう。
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