本やスマホなど、近くの文字が読みにくくなる老眼。老眼鏡はできれば使いたくない!と思ってる方もいるかもしれませんがその認識、間違っています。実は老眼鏡はきちんと選んで使えば、いいことがたくさんあるのです。今回は、4万人以上の目を診てきた梶田眼科の院長 梶田雅義先生に、老眼と老眼鏡について教えていただきました。
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老眼は、加齢によって水晶体が硬くなり、毛様体筋が収縮しても水晶体の厚みが変わらず、近くのものにピントが合いにくくなる状態のこと。症状を自覚し始める平均年齢は、44歳とされています。しかし、最近は10〜20代にも老眼のような症状が見られるようになってきました。それは、スマホやPCなどを長時間使用することで起こる“スマホ老眼”。近距離を長く見続けるためピント調節機能が思うように働かなくなってしまうのです。スマホ老眼は一時的で多くが回復するとされていますが、繰り返すと早いうちから老眼のような症状が出てしまうことにもなります。
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老眼の初期は、朝はクリアに見えているのに夕方になったら遠くがかすんで見える、目が疲れやすい、といった症状があります。ほかにも1mほど離れた人と会話をするとき、相手の目をじっと見られなくなるのも老眼のサインだと言えます。ピント調節機能が衰えているために、目を合わせづらくなっていると考えられます。
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近視の人は老眼にならないとよく言われますが、近視の人も老眼になります。近視の人はピントが近くに合っている状態のため、裸眼でも近くは見えやすく老眼に気づきにくいだけ。近視用の眼鏡をかけたときに、近くが見えにくいと感じたら老眼かもしれません。
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老眼鏡は、目の調節機能を補助して、近くの見たいものにピントが合うようにするもの。ルーペは見たいものを拡大するもの。というように、まったく用途が違います。眼鏡型のルーペは、眼鏡をかけても見えないときに補助として併用する道具なのです。ルーペを老眼鏡として使い続けるのは、例えば虫眼鏡をかけて生活するようなもの。ルーペにはピント調節の機能がないので、長時間使用すると疲れ目の原因にもなってしまいます。
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老眼鏡には読書(手元)用だけでなく、遠近両用、中近両用、近々両用と、さまざまな種類があります。手元用は、遠くを見るときはピントが合いませんが、遠近両用は手元にも遠くにもピントが合うもの。かけたり外したりするわずらわしさがないので、1本持っておくと便利です。中近両用は少し離れたところまでが見えるので、室内で過ごす時間が長い人に。近々両用は手の届く範囲までなので、PCの使用時間が長い人に向いています。
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人の目は、左右の度数も瞳孔の位置もそれぞれ違うため、度数があらかじめ決まっている既成の老眼鏡がぴったり合う人はほとんどいないでしょう。合わない眼鏡を使い続けることは、目だけでなく身体の疲れにもつながります。老眼鏡は自身の目の状態に合ったものを。眼鏡店で度数を測って作ることもできますが、眼科を受診して処方箋を出してもらうのがおすすめです。度数だけでなく目の病気の検査も受けられますから、目の状態を知るきっかけにもなります。ただ、処方箋を出していない眼科もあるので、事前に問い合わせを。
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老眼鏡に頼らずに生活していても、老眼の進行度合いはあまり変わりません。使用しても使用しなくても老眼は進みます。ですから、近くが見えづらいと感じたら早めに使用を。ガマンしながらの生活では、目の疲れはもちろん、肩こりや頭痛といった、身体への影響が出ることもあります。また、高齢になると老眼鏡に慣れるのに時間がかかりますから、早くからかけて慣れておいたほうが、快適に過ごすことができます。
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