チョコレートにまつわる 疑問Q&A
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チョコレートにまつわる 疑問Q&A
カカオマスってどんなもの?
カカオマスは、カカオ豆の胚乳部分を発酵・乾燥させたものをローストし、摩砕してペースト状にしたものです。カカオ豆からはカカオマスとカカオバターが抽出され、両方がチョコレートの主な原料です。この2つの合計含有率が、チョコレート中のカカオ含有率になります。カカオマスには、とても強い抗酸化作用があるカカオポリフェノールをはじめ、カルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラル類、リラックス効果のあるテオブロミン、食物繊維といった身体にいい成分が含まれています。
健康効果が期待できるのだから、たくさん食べてもいいの?
健康にいいことが医学的に証明されているのは、カカオ含有率が70%以上のチョコレートです。食べる量としては、1日約50g(板チョコでは約2/3枚程度)を目安にしましょう。カカオ含有率が高いからといっても、食べ過ぎには注意しましょう。
いつ食べるのが効果的なの?
カカオマスの健康成分が血中に残るのは2時間程度なので、1日数回に分けて少量ずつ食べるのが効果的です。少量ずつ食べる時間がない場合は、1日の中で最も身体が脂肪を溜めにくい時間帯と言われる15時前後に食べるといいでしょう。三度の食事でバランスよく栄養を摂取したうえで、上手にチョコレートをプラスするイメージです。
ホワイトチョコレートと普通のチョコレートは何が違うの?
一般的なチョコレートはカカオマス、カカオバター、砂糖、ミルクが主原料ですが、ホワイトチョコレートにはカカオマスが入っておらず、カカオバター、砂糖、ミルクを主原料としています。カカオマスが入っていないので白くて口溶けがよく、なめらかで苦味もありませんが、カカオポリフェノールやテオブロミンはほとんど含まれていません。健康効果を期待するなら、カカオ含有率70%以上のチョコレートを選びましょう。
チョコレートは太りやすいの?
カカオバターを大量に含んでいるので食べると太るイメージがありますが、カカオバターの主成分であるステアリン酸は低カロリーで脂肪の吸収率も低い飽和脂肪酸という良質な脂肪で、太りにくいんですよ。また、カカオマスに含まれるエピカテキンは筋肉を増やして体重を減らす効果があるという研究結果もあり、適度に摂取することでダイエットにも効果が期待できそうです。
虫歯になりやすいって本当?
カカオマスに含まれる成分には、口内細菌のソブリナス菌による虫歯の発生を抑える効果があるという研究結果が報告されています。つまり、カカオ含有率70%以上のダークチョコレートには虫歯予防の効果が期待できるかもしれません。ただし、食べたあとに歯を磨く、食べ過ぎない、という点にご注意を。
どうやって保存すればいい?
チョコレートは温度・湿度にデリケートで、なめらかな口溶けの元となっているカカオバターは28℃で溶け始めます。高温多湿を避けて涼しいところで保存しましょう。また、食べかけのものは、きちんとアルミ箔に包んで保存しましょう。ちなみに長い時間保存していると、チョコレートの表面が白くなることがありますが、これはカカオバターの成分なので、食べても特に問題はありません。しかし風味が落ちることもあります。
食べ過ぎるとニキビや鼻血が出る?
チョコレートとニキビ、鼻血との因果関係がないことはさまざまな研究でわかっています。子どもの頃に言われていたことは、チョコレートの栄養価が高いため、食べ過ぎ注意という意味を込めてのことかもしれませんね。
チョコっとおもしろい話
ノーベル賞の受賞と相関関係がある!?
2012年のイギリスの医学誌に、チョコレートの消費量とノーベル賞受賞者を輩出する数に相関関係が見られたという論文が発表されました。最も相関関係が見られたのがスイス(ノーベル賞受賞者数世界6位)、次いでスウェーデン、デンマーク。ちなみに日本は、消費量では世界で20位以下ですが、研究分野においては世界でも最先端を進んでいるんですよ!!
もともとは"薬"として飲まれていた!?
チョコレートは古代メキシコで生まれ、のちにヨーロッパに伝わり、砂糖などを加えた甘い飲み物で、一部の貴族が薬として飲んでいたのが当初の姿です。日本では、江戸時代の長崎に「しょくらとを」という飲み物として伝わりました。その後、固形のチョコレートが発売されたのは、明治10(1877)年なんですよ。