卵にまつわる 疑問Q&A
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卵にまつわる 疑問Q&A
卵を割ったら出てくる白いひものようなものは何ですか?
卵白と卵黄の間に出てくる白いひものようなものを、カラザと呼びます。このカラザによって、卵黄の位置が真ん中に固定されています。舌ざわりが気になって取り除く人もいるかもしれませんが、カラザには、豊富なタンパク質や、細胞を守るシアル酸という成分が含まれています。身体によいものなので、取り除かずに食べることをおすすめします。
卵白が白く濁っているのはよくないのですか?
卵白が白く濁っているのは、産まれたばかりの新鮮な卵の証拠。炭酸ガスが多く含まれているため、白く濁ったように見えます。産まれてから時間が経つにつれて、炭酸ガスは殻の表面にある無数の気孔から抜けていくので、古くなった卵白の方が、透明になります。
赤玉と白玉で栄養価は違いますか?
赤玉と白玉は鶏の種類によるもので、一般的に褐色の鶏が赤玉を産み、白い鶏が白玉を産むと言われています。赤玉の方が値段が少し高く、栄養価が高いというイメージを持つ人も多いかもしれませんが、色による栄養価の違いはほとんどありません。
"栄養強化卵"のような値段が高い卵は健康効果も高いの?
"DHA入り""ビタミンE強化"などと表示されている栄養強化卵は、特別な飼料で育てた鶏から産まれたもの。飼料に必須脂肪酸のDHAや抗酸化作用の強いアスタキサンチンなどを入れて、卵の栄養価を高めています。忙しくて朝食が摂れない人などは、栄養強化卵を取り入れて、不足する栄養素を補ってみてはいかがでしょう。
卵の必須アミノ酸はどんな働きをするの?
卵に含まれる必須アミノ酸は9種類あり、身体を正常に機能させるために必要な働きをします。中でも豊富なのは、シスチンとメチオニンからなる含硫アミノ酸。このアミノ酸が、コレステロールを気にする人にとって、頼れる存在になってくれるのです。その働きとは、シスチンが体内に入ることでタウリンという物質ができ、血中コレステロール値を適度なバランスに保ってくれること。また、動脈硬化を予防するHDL(善玉コレステロール)を増やす機能もあります。
脳の老化防止にも効果的って本当?
卵黄にたくさん含まれているコリンが脳の中に入ると、アセチルコリンという神経伝達物質に変わって脳の働きが活発になり、記憶力や学習能力が高まることが近年の研究でわかってきました。アセチルコリンは血管を広げて血圧を下げる効果もあるので、脳梗塞などの脳血管疾患の予防にもつながります。また、アルツハイマー病患者の脳を調べると、アセチルコリンの量が少なく、それが減少するほど記憶力が衰えていくことがわかっています。それに、DHAも脳細胞の働きを活発にするので、卵は脳の老化予防に効果的と言えるでしょう。
調理法によって、栄養価や吸収性は変わりますか?
卵そのものの栄養価は、どんな調理法でも変化はありません。ただ、調理の仕方によって、胃や腸での消化、吸収に違いが生まれます。半熟卵の消化時間は約1時間半、生卵は約2時間半、茹で卵や目玉焼きは約3時間と言われています。食事の時間や胃腸の調子に合わせて、調理法を選ぶとよいでしょう。
卵の最適な保存方法を教えてください。
とがったほうを下にして冷蔵庫内の4℃の環境に置いておけば、微生物の繁殖を防ぐことができます。また、卵は殻の気孔を通じて呼吸しています。においを吸収しやすいので、なるべくにおいの強い食品と離して保存しましょう。卵の賞味期限は生で食べられる期限を表しているので、生食の場合は、賞味期限内に食べましょう。
シミ・シワ対策に卵殻膜!
殻の内側にある薄皮で、細菌の侵入を防ぎ、卵黄と卵白を守っている卵殻膜。「卵殻膜にはシミ・シワ予防など、美容に効果的な成分、細胞が含まれています。近年では、サプリメントにも利用されているんですよ」と、矢澤先生。それは、美しい肌を維持するのに欠かせない成分、システインの素・シスチンと、ヒアルロン酸を産生する線維芽細胞のこと。傷の修復にも効果的で、かつては力士が怪我をした際、患部に貼って治していたそうです。ほとんどの場合、殻と一緒に捨てられる存在の卵殻膜にも、実は秘められた力が備わっていたのですね。