心の持ちようで、改善も!75点主義がすこやかさのカギ
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心の持ちようで、改善も!75点主義がすこやかさのカギ
“好い加減”で、ストレスに対処
筆者は今、胃の不調といえば、飲み過ぎ食べ過ぎによるものばかりで、ストレスによって不調が現れることはありません。年齢を重ね自分の不完全さを受け止められたことで、いろいろなことに、あまりストレスを感じなくなったのでしょう。
「投げやりとか、中途半端などといったネガティブな意味での“いい加減”ではなく、ちょうどよいという、ポジティブな意味での“好い加減”でいるというのが、大事かもしれませんね」
機能性ディスペプシアは、自分と人の距離感に気を遣う、スケジュールをきっちり立てる、仕事を緻密にやり遂げる人などに多いそうです。そういった習性はなかなか変えづらいもの。先生から“好い加減”でいるための考え方を教えてもらいました。
「100点満点を目指すのはもちろんよいことですが、がんばったのに満点を取れなかったとストレスに感じる場合もあります。胃の不調に悩まされる人は、“75点を目指す生き方”をしてみてください。そうすれば、25点足りなかったとマイナスに考えなくなるのではないでしょうか。75点を自分の限界にしましょう、と言っているわけではありません。75点を目指すという考え方で、ゆとりを持ってほしいなと思うのです」
生活習慣の改善もがんばり過ぎずに
胃の不調を防ぐために生活習慣を見直すことも有効です。適度に運動をする、食事や睡眠の時間を規則正しくとるとよいそうです。ただ、それもやはり75点主義でとり組みましょう。
「何かをしなければならない、これを食べなければいけないと考えると、それもまたストレスになってしまいます。運動は散歩でもいい。食事は、胃の負担にならないように規則正しく摂ることが望ましくはありますが、できなかったとしても、あまり気にしないことです」
腹八分目を心がける、胃の調子が悪いときは辛いもの・酸っぱいものなど刺激が強いものを避ける、脂っこいものを控えるなど、食事内容を考えることも胃をすこやかに保つ秘訣です。
「食べてはいけないものは基本的にありません。何かを過度に摂ったり、極端に摂らないということがないように気をつけながら、食事を楽しむとよいでしょう」
胃の不調が1か月以上続いている場合は、病院の受診を検討してください。
「病院に行った、薬を飲んだ、ということで安心感を得られるはずです。胃の不調は気のせいだ、甘えだと自分を追い込まず、必ずよくなると前向きに考えて治療をしていきましょう」
肩の力を抜いて、75点主義で考える。必要ならば医師に相談し、薬を服用する。ひとりで抱え込まず、がんばり過ぎないことが機能性ディスペプシアという病気に向き合う方法だと言えそうです。
機能性ディスペプシア
その向き合い方のヒント
楽しむ気持ちを持つ。
スポーツ選手は、身体を鍛えるだけでなくメンタルトレーニングにもとり組んでいます。メンタルを整え、楽しもうという気持ちで試合に挑むとパフォーマンスが上がり、いい結果にもつながるのだとか。目標達成のために“楽しむ”という要素も大切だと言えます。
深呼吸もとり入れて。
自律神経は自分の意思とは関係なく働くものですが、唯一、呼吸だけは自律神経をコントロールできます。ストレスを感じたときは、応急処置的に深呼吸をしましょう。副交感神経が優位になってリラックス状態になり、胃の働きもよくなります。肩の力を抜くことも大事です。
過度な期待をかけない。
機能性ディスペプシアは、小学生から罹ることもある病気。親からの過度な期待がストレスになることもあるそうです。メンタルが影響する病気なので、周囲の大人は、子どもとの接し方を考えるようにしましょう。
心のケアで治まることも。
機能性ディスペプシアは胃の病気ではありますが、心療内科的治療でも治ることがあります。「胃は心の鏡」と言われるように、胃が心の状態と深く結びついているためです。心をケアすることでも改善を目指せるそうです。