量より質が大切。感じる光の取り入れ方
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量より質が大切。感じる光の取り入れ方
日中の外出を増やして良質な光を感じよう!
生活スタイルが一変し、不調が起こりやすくなったのは、規則的だった生活リズムの変化に加え、外に出る時間が減ったことも一因かもしれません。オフィスへ行かなくなったことで、屋外を歩く時間が減り、そのぶん光をとり入れる機会も減ってしまったからです。
「例えば、骨の強化や免疫バランスに関係するビタミンD。唯一、体内で生成できるビタミンで、皮膚が光(紫外線)を受けることで作られます。また、脳にある光センサーによって、体温を調節することもわかっています。ヒトは暑いときは汗を出し、寒いときは震えて熱を生み出して体温を調節しています。光センサーが光の強弱を感じ取って、体温を調節するための情報を伝えているのです。体内時計の調整、すこやかな心の維持、近視の抑制をはじめ、身体が感じる光は、さまざまに私たちの健康を支えています。屋外へ出て、光を感じることが大切です」
とり入れる光は、“量ではなく質”とのこと。ほんの少しでも効果があるそうです。良質な光が存在する昼間に、屋外へ出かけましょう。加えて、光センサーを鈍らせないことも大切です。特に目にあるセンサーは年齢とともに精度が落ちやすくなるからです。
「加齢による目の疾患、白内障と緑内障は光を感じにくくなりますから、体内時計の乱れの原因にもなります。白内障の方が手術を受けて、体内時計のリズムが戻ってきたという例もあります。白内障、緑内障は誰もが罹る可能性のある病気。定期的に目の検査を受けるようにしましょう」
目は、視覚情報の入り口であり、健康作りにつながる光を受け取る場所でもあります。目を大切にする理由はここにもあるのです。
朝の光だけでなく夜の光も考える
ブルーライトは、夜に浴びると体内時計が乱れやすくなります。スマートフォン、パソコンのほかテレビからも発せられていますから、体内時計に夜が来たことを知らせるために、就寝2時間前から使用を控えましょう。照明器具は、明るい白色よりもオレンジ色のものが“眠りの準備”がしやすくなります。
カーテンだけでなく窓も開ける
最近の窓ガラスは、紫外線やブルーライトをカットするものも多いので、カーテンだけでなく窓も開けて光をとり入れましょう。そうすれば屋外にしかないバイオレットライトもとり入れることができます。
起床時間をできるだけ変えない
朝の光で体内時計がリセットされるので、同じリズムを保つために起床時間をできるだけ変えないようにしましょう。休日は、ゆっくり寝たいところではありますが、平日と同じ時間に起きるのが理想です。
明るい時間に外出を!
自宅勤務が続いている場合は特に、屋外に出ることを心がけて。買い物も太陽が出ている明るいうちに行くなど、光を感じる機会を減らさないようにしましょう。特集1で紹介したきょろきょろ運動もかねて散歩をすれば、脳にもよい効果が得られます。
まずは眼底検査を!
緑内障などのリスクが高まるのは40歳以降。40歳を超えたら定期的な検査を受けましょう。とはいえ、見ることに問題がなければ、眼科検診はなかなか受ける機会がないもの。まずは眼底検査を受けてみましょう。眼底には病気の早期発見につながる情報が詰まっています。一部の地域では公的眼科検診を実施しているので、確認してみましょう。
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