やがては歩行困難に!?
アーチの崩れは、全身の崩れにも!
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やがては歩行困難に!?
アーチの崩れは、全身の崩れにも!
アーチ構造は人間だけにある!
エストロゲンの減少は、女性なら必ず起こること。足のさまざまなトラブルにつながっていくアーチの崩れも、女性は特に他人事ではありません。
「足は骨や筋肉、神経、皮膚、爪、そして血流のトラブルもあります。エストロゲンの減少はそのどれにも関係してきます」
アーチの崩れは、外反母趾や、魚の目、巻き爪につながるだけでなく、やがて歩行困難になる可能性まであります。
「そもそも、なぜアーチがあるかというと、長い距離を歩くのに必要だからです。チンパンジーにアーチはありません。歩くことが重要ではない彼らの足は、木の枝などにつかまりやすくするために人間の手のような形をしています。人類は進化の過程で、平地を歩くことに特化した結果、何かをつかむという機能を捨て、アーチが形成されていったのでしょう。この立体的なアーチ構造があることで、地面に当たる衝撃を吸収し、足をけり出して身体を前に進めていくことができるのです。アーチが崩れると、けり出す力が弱まるためペタンペタンという歩き方になり、疲れやすさの原因になっています」
アーチは
“長く歩く”ためにある!
アーチが沈み込む
アーチが沈み込むことで、地面に着地したときの衝撃を和らげることができる
アーチが高くなる
アーチが高くなることで、足の指で地面を押す力が増大し、けり出すことができる
アーチの崩れは足首、膝などにも影響
アーチの崩れによって、疲れやすさやだるさが現れ、ここからも連鎖が起きていくということ。
「人間の身体は上手くできていて、どこかに不具合が生じるとそれをカバーしようとします。アーチが崩れた場合は、関節で補正しようとするため、まずは足首、次に膝、そして股関節といった具合にどんどん上に負担がかかるようになっていきます。アーチの崩れは、外反母趾などのトラブルだけでなく次第に歩行困難にまで発展していくわけです。足は、健康の土台。歩くことはシンプルでありながら、健康作りにつながる立派な運動にもなります。また、歩行速度と寿命に相関関係があることもわかっています。イギリスで数十万人を対象に行われた調査で、歩く速度が速い人、つまりスタスタと歩ける人は寿命が長いという結果が示されています」
自分のアーチの状態が気になると思いますが、アーチに体重がかかったときの状態で判断するため、自分で確認できないそうです。
「ただ、足に過度な負荷がかかっていないかどうか、自分でチェックする方法があります。靴の底を見てみてください。両足とも、かかとの外側と、つま先の内側がすり減っている場合は問題ありません。しかし、左右で減り方が違ったり、かかと全体、内側だけ、外側だけがすり減っている場合はどこかに問題がある証拠。アーチが崩れている可能性があります」
アーチが崩れてない?
靴の裏側をチェックしましょう
靴の裏側の減り方が偏っている場合は、アーチの崩れなどによって足に何らかの過度な負荷がかかっている可能性があります
かかとの外側あたり、つま先の内側あたりが、左右とも同じように減っている場合は問題ない歩き方だと言えます。かかとの少し外側から着地し、足裏全体をつき、親指のつけ根で地面をけるよい歩き方だと考えられます。
前方への体重移動が上手くできず、重心が後ろにかかっていることが考えられます
かかとが傾き、過度にアーチが崩れている可能性があります
足の重心がどちらかに偏っていることが考えられます
重心を内側に移動できず、衝撃を十分吸収できていないことが考えられます