五感への刺激・人への想いがオキシトシンの分泌に
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五感への刺激・人への想いがオキシトシンの分泌に
気持ちがいいこと。楽しいこと。人を思いやること
ハグやキス、セックスなど、スキンシップで多く分泌されるオキシトシン。ただ、人に会ったときにハグやキスをすることがほぼない私たちにとって、スキンシップは気軽なものではないかもしれません。
「肌への刺激で分泌されますから、セルフマッサージでもいいのです。犬や猫などのペット、ぬいぐるみを抱きしめることもいい。ふわふわした心地よい感覚が、オキシトシン分泌を高めます」
触れる感覚・触覚も含め、五感への気持ちのよい刺激が分泌を促すのだそうです。
「気持ちがいい、楽しいと思うことなら、どんなことでもいいのです。おいしいものを食べる、好きな香りを嗅ぐ、好きな音楽を聴く、美しい景色を見るなど、自分の五感を喜ばせることを意識しましょう」
そしてもうひとつ、オキシトシンを高めるには、人と交流し、人を思いやることです。
「自分を想ってくれた相手に、『ありがとう』ときちんと言葉にして伝える。ボランティアなどで、人のために何かをする。それだけで、自分にも相手にもオキシトシンが高まります。そのよい循環を作るためにも、人とつながることです。今は人との距離をとるべきときですから、なかなか難しいかもしれませんが、やはり直接会うことがベストです。“オンライン飲み会”も便利ではありますが、できれば食事をともにして、笑い合って。時には愚痴を言い合ってもいいのです。それは、五感の刺激にもなります。想ったり、想われたりすることは大切。人間の基本的なことだと思います」
ストレスに強く、心優しく。オキシトシンが、これからを生きる私たちの未来を、よりよいものにしてくれるはずです。
五感への刺激
スキンシップ、ハグ、キス、セックス……。人と触れ合うことを。セルフマッサージでもOK!
美しい景色やアートなど好きだと感じるものを見る。人の笑顔を見るのも◎。
おいしいと感じるものを食べる。身体にいいからと無理をせず、身体が欲しがっているものを食べる。
好きな香りを嗅ぐ。アロマセラピーもよい。もちろん、好きな精油でOK。
ジャンルを問わず、好きな音楽を聴く。好きな人の声も◎。
人を思いやる
相手にお礼や感謝の気持ちを伝えることで、自分だけでなく相手にもオキシトシンが分泌されます。「ありがとう」はオキシトシンの増強剤。助けてもらったときはもちろん、どんなときも感謝の気持ちを。例えば悩みを相談されたときも「話してくれてありがとう」と伝えましょう。
「人の目を見て話しなさい」とは大切なマナーとして教わることですが、オキシトシン分泌にとっても重要です。目を見ながら話すと想いが伝わり、信頼や共感が生まれて、双方にオキシトシンが分泌されます。時にはパートナーと見つめ合って。きっと絆が深まるはずです。
仕事仲間でも家族でも、メンバーで役割分担をしてひとつの目標に向かっていく。それぞれがココロを開いて共感・信頼できるようになると、みんなにオキシトシンが分泌されます。目標を達成したら、みんなで喜び、ほめ合うと、さらにオキシトシン分泌が高まります。
子どもをとにかくかわいがること。3歳までに徹底的にたっぷり愛情を注いで育てると、その子どもはオキシトシンを分泌しやすい体質になります。それは一過性ではなく生涯にわたって影響を与えます。3 歳を超えていても安心を。愛情を注げば、オキシトシンは分泌されます。
「情けは人のためならず」。人に親切すると、自分にもかえってくるという意味のことわざです。これこそオキシトシンを表す言葉。ボランティアは、誰かの役に立ちたいという想いをカタチにできる行動です。ボランティアでオキシトシンが分泌されるという論文もあります。
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