知っているだけで大違い!これが本気の糖化対策。
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知っているだけで大違い!これが本気の糖化対策。
高血糖やAGEsの含有量が糖化に影響するとわかっていても、好きなメニューや大好きなおやつは楽しみたいですよね。少しの努力でOKの糖化予防法をご紹介しましょう。
[1 食べ方] “ベジタブルファースト”を実践。
野菜を先に食べるだけで血糖値の上昇を抑えられる。
糖化を進めないようにするには、血糖値の上昇を抑えることが大切です。食事やおやつを減らせば、血糖値はそのぶん下がりますが、ストレスが溜まってしまいそう。また、血糖値を測るのも難しいものです。
そこで「量」ではなく「食べる順番」を変えるという対策を実践してみませんか。それが“ベジタブルファースト”です。
ハンバーグランチなら野菜サラダを一番に。和定食なら野菜の煮物やおひたしから食べて、お肉やご飯は後回しに。全く同じ内容の食事でも「野菜を最初=ベジタブルファースト」にするだけで、血糖値の上昇を抑えるのに効果的であることがわかっています。
山岸先生いわく「野菜から先に摂れば食物繊維の効果で、後から食べるご飯やパンなどに多く含まれる糖の吸収を遅らせることができます。糖の吸収が遅いほど、血糖値の上昇はゆるやかになり、高血糖が続く時間を減らすことができるため、糖化予防には有効ですね」
食物繊維の多い野菜を選び、生のままで食べるのがベストです。
「同じ野菜でもジュースや調理したものは、消化がよく吸収スピードが早いため、血糖値の上昇も早くなります。糖化対策には、吸収スピードの遅い生野菜がおすすめです」
ベジタブルファーストなら簡単ですし、ヘルシーな野菜で糖化を予防できるというのも嬉しいですね。
食べるタイミングにも気をつけて。
同じメニューなのに、食べる時間が違うだけで糖化対策に有効というところにも注目しましょう。
「朝の食事は他の時間よりも2割ほどカロリーが吸収されにくいのです。従って血糖値の上昇がゆるやかになり、糖化予防につながります。夜の食事については19時ぐらいまでがベスト。21時以降はできるだけ食事をしないように気をつければ、カロリーや糖質の過剰摂取を抑えることができます」と山岸先生。
これは時間遺伝子という考え方に基づいたアドバイス。人間の身体は今も、原始的な時代からの時間遺伝子を持っているのです。太陽が出ている間に活動し、沈めば寝るというサイクルに合わせて生活するように心がけましょう。
[2 食品] GI値の低い食品を選ぶ。
似た食品なのに、血糖値の上昇が大違い!
血糖値を急激に上げる食品と上げにくい食品があります。その目安となるのがGI値※。同じグラム数の炭水化物を摂ったとき、食後の血糖値がどれくらい上がるかを示す値です。
例えば、そば、うどん、白ご飯を食べて血糖値の上昇を比べてみたら、最も上がりにくいのはそば、次はうどん、最も上がるのは白ご飯という結果が。また人参やじゃがいもは血糖値が上がりやすく、ほうれん草やキャベツは上がりにくいなど、野菜の中でも差があります。
ただし山岸先生は、そうしたデータばかりをあまり気にしすぎないようにとアドバイスされています。
「GI値ばかりを常に意識して食べる必要はありません。3回に1回ぐらいGI値を意識して、食事を選ぶといいでしょう。朝はパン、夜にお寿司を食べる予定なら昼はそばにする、というようなバランス感覚を育んでください。1週間単位でバランスを考えてもいいですね。がんばり過ぎずに続けることが大切ですよ」
※GIとはグリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、同じグラム数の炭水化物を摂ったとき、食後の血糖値がどれくらい上がるかを示す値。
[3 運動] 食後には軽い運動を。
食器洗いレベルでも血糖値を下げる効果が。
メニュー内容だけでなく、1日何回、どんな時間帯で食べるのかに注意を払うだけでも、血糖値の上昇を抑えたり、高血糖な状態が続くのを防ぐ効果が見込めます。血糖値が最も上がるのは、食後1時間。食事内容だけでなく、食後1時間にする運動も大切になってきます。
「運動といっても、食器を洗ったり、こまめに片付けたり、何かを取りにいくといった、普段からしている活動レベルでもかまいません。実はそうした日々の活動に必要なカロリーは想像以上に大きいので、血糖値を下げるのに効果的なのです。理想は毎食後20~30分のウォーキング。これにこだわらなくても、外食後にはエレベータではなく階段を使って移動するなど、少しずつ身体を動かすだけでも差が出ます」
毎日ちょっとした工夫を重ねて、キレイを手に入れましょう。