カルシウムだけじゃない!“強くしなやかな骨”に大切なのはコラーゲン。
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カルシウムだけじゃない!“強くしなやかな骨”に大切なのはコラーゲン。
骨は単に”硬い”だけでなく、実は木の枝のように“しなる”性質を持っているのをご存知ですか? 硬い骨であること=「骨密度」が高いことに加え、しなやかな骨であること=「骨質」がよいことが、強く健康な骨の必須条件。そんな骨の柔軟性を生み出す重要な存在が、骨中の「コラーゲン」なのです。
骨の約50%はコラーゲンでできている!
骨というと単なるカルシウムの塊のように思いがちですが、実は骨の体積の約50%はコラーゲンでできています。
「骨の構造は、鉄筋コンクリート製の柱に例えられ、鉄筋がコラーゲンでコンクリートがカルシウム。網の目に組まれた鉄筋の間にコンクリートが流し込まれているイメージです」
骨の内部にコラーゲン線維があることで、骨への衝撃を和らげ、骨折を防止するクッションのような役割を果たしています。
「骨質」の良い骨は“しなり”がある。
また、これらのコラーゲン線維は、実際は小さな分子が連なってできています。その分子同士をつなげる”ビス″のような存在は「コラーゲン架橋」と呼ばれ、ビスが分子同士をしっかりとつなぎ止めることで、コラーゲン線維が丈夫になり、骨に”しなり”が生まれます。ところが、その架橋には「善玉」と「悪玉」があり、悪玉架橋が増えると、コラーゲンが劣化してしなりが悪くなり、骨折のリスクが高くなってしまいます。骨のカルシウム量を増やして、骨密度を高めると同時に、コラーゲンとコラーゲン架橋を健康な状態に保ち、「骨質」を高めてこそ、本当の意味での”強い骨”と言えるのです。
「骨の強度の70%は骨密度に、30%は骨質に依存している」と言われるだけに、女性は40代半ばを過ぎたら骨密度をチェックするだけでなく、骨質を劣化させないライフスタイルにも目を向ける必要がありそうです。