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なるほど!食の知識

和食はなんでいいの??健康を作る大人のための食育(3/5)

掲載号 vol.17

いつ、どのように? 身体にいい食べ方とは。

Lesson_3

いつ、どのように? 身体にいい食べ方とは。

昔から、よいとされてきた食事の摂り方。それには、きちんと理由があるのです。

食事の内容だけでなく食べ方にも気配りを。

何を食べるかに加えて、どう食べるか、その方法も知っておくと、さらなる健康を目指せます。

昔から伝えられてきた、〝よく噛む″ことや〝腹八分目″など、身体によいとされる食べ方には、きちんと根拠があります。また、最近では食べる順番を選ぶことで、病気を予防できることもわかってきています。

例えば、脂質異常症や動脈硬化などの疾患。食後の中性脂肪の増加が大きく影響するそうですが、それを抑える食べ方もあるのだそうです。

「ベジタブルファースト(以下で詳しく)、その次にタンパク質、最後に炭水化物という順番がおすすめ。例えば焼肉は、野菜の次に肉を、最後にご飯を食べるようにすれば、中性脂肪の上昇を抑えることができます」

    • 肥満予防
    • 認知症予防

    よく噛む

    咀嚼運動が多いほど、よい効果がさまざまに。

    よく噛んで食べると太りにくいと言われるのは、しっかり咀嚼をすることで、食欲を抑える物質・ヒスタミンが脳の視床下部から分泌されるから。マウスの胃の中に食べ物を流し込む実験では、ヒスタミンが分泌されなかったそうなので、肥満の予防のためには、やはりよく噛んで食べること。また、認知症を引き起こすとされる有害なタンパク質・βアミロイドは、咀嚼が多い人ほど少ないことがわかっています。ほかにも唾液の分泌を促し、唾液中の消化酵素・アミラーゼの働きで、腸内環境を整え免疫力を高めたり、あごの筋肉が鍛えられるのでたるみ予防にも効果が。

    • 肥満予防
    • 糖尿病予防

    ベジタブルファースト

    食後に上昇する血糖値を抑えられる食べ方。

    食事は、最初に野菜を食べる(ベジタブルファースト)ようにすると、肥満や糖尿病の予防につながります。これは、野菜の食物繊維が、後から食べるご飯やパンなどが含む糖の吸収を遅らせて、食後血糖値の上昇をゆるやかにするから。食後の高血糖状態は、インスリンが大量に必要になるだけでなく、処理しきれない糖が、コラーゲンなどタンパク質に結びつき糖化を引き起こします。ベジタブルファーストは、この糖化も防ぐことができるので、シワやたるみの予防にもなります。

    • 肥満予防
    • アンチエイジング

    腹八分目

    酵素バランスと長寿遺伝子を味方につけて美しく!

    満腹になるまで食べないようにする腹八分目。肥満を防ぐのはもちろん、カロリーを抑えられるので、老化のスピードをコントロールする長寿遺伝子が働き、アンチエイジングにもつながります。また、消化酵素を節約し、代謝酵素とのバランスを整えることも。消化酵素を節約できれば、その分、新陳代謝を助ける代謝酵素の温存ができるので、肌あれやむくみなどのトラブルを防ぐことができます。最近は〝腹七分目"がよいという説もあるので、八分目に慣れたらトライしてみて。

    • 肥満予防
    • 糖尿病予防
    • 動脈硬化予防

    朝食を欠かさない

    朝食に食物繊維を摂れば午後の高血糖を抑える効果も!

    睡眠中に低下した体温を上げ活動しやすくしたり、糖質を補給して、脳を活性化させるなど、大切な役割がある朝食。これを抜くと栄養素が不十分になり、昼食、夕食を多く摂ることになりがち。毎日朝食を摂る人に比べて、LDLコレステロール値が高く、インスリンの働きが悪くなることもわかっています。それが、肥満や糖尿病、動脈硬化につながると考えられます。朝食に食物繊維を多く摂れば、糖質の吸収を遅らせて午後の高血糖を抑える効果も。抜かないこと、工夫することが大事!

    • 肥満予防
    • アンチエイジング

    食べるべき時間に食べる

    体内時計に合わせた食事が健康を作ります。

    「夜遅く食べると太る」と言われているのは、夜8時以降は脂肪を溜め込む指令を出す遺伝子B-mal1(ビーマルワン)が増加するため。マウスを使った実験でも、高脂肪食を1日中食べ続けたマウスと、時間を制限して食べたマウスでは、後者の方が肥満、高インスリン血症、肝脂肪の変性・炎症などが少ないという実験結果が出ています。疲労回復や肌を修復・再生させる成長ホルモンの分泌を妨げないよう、眠る2時間前は食事を控えるなど、体内時計に合わせて食べることも美と健康に役立ちます。

“おいしく食べる” は健康につながる!

同じ内容の食事でも、明かりによって見え方が変化します。蛍光灯の青白い照明の下では料理が冷めているかのように見え、おいしさが半減。対して白熱灯やロウソクの明かりは、料理が温かくおいしそうに見え、快楽物質セロトニンが放出されて免疫力がアップ。五感で心地よく食べるだけでも、身体は変わるのです。

  • 蛍光灯の場合

    蛍光灯の光に照らされた食事は、料理が冷たく見え、おいしそうに感じにくくなります

  • 白熱灯の場合

    白熱灯の光に照らされた食事は、温かみがあり、料理がよりおいしそうに見えます

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