【実践編】目標値は人それぞれ。自分に合った方法でコントロールを。
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【実践編】目標値は人それぞれ。自分に合った方法でコントロールを。
例えば毎日同じものを食べている家族同士でも、コレステロールの目標値は違います。自分なりの対策を講じましょう。
無関心なあなたも“予備軍”かも!?
動脈の硬化は多かれ少なかれ加齢とともに起こる現象です。ただし、脂質異常症(高脂血症)をはじめ、糖尿病や高血圧症、また、喫煙や肥満などの要素が加わるとその進行は加速します。
仮に現時点でコレステロール値が正常だとしてもそれに慢心しないこと。危険因子(動脈硬化を進める要素)をひとつでも持っていたら、予備軍であると心得ましょう。
「日本で適正とされるコレステロール値は総コレステロール値だと220mg/dL以下(※ほかの危険因子がない場合)。一方、欧米では240mg/dL以下が一般的です。日本人は欧米人に比べ心筋梗塞などになる人の数が少ないのに、日本の数値はきびし過ぎるのではないか、という意見もしばしば耳にします。しかしこれは220mg/dLを超えると危険で、すぐさま投薬治療が必要だということではなく、そこで一度自分の身体に関心を持ってもらうことを目的に設定された数値でもあるのです」と中谷先生。
自覚症状がなくても、誰にとっても他人事では済まされない動脈硬化。その進行を少しでも遅らせるため、思い込みやイメージだけで判断せず、できる限り危険因子を減らすよう努めたいものです。
目標値に影響する危険因子。
目標とすべきコレステロール値は人によって異なります。危険因子をいくつ持っているか(下の表参照)なども考慮し、動脈硬化になるリスクを考えます。そもそもコレステロール値はある程度、継続して注視する必要が。中谷先生によると「中性脂肪に比べ比較的安定はしているものの、1週間~1か月前の食生活に影響を受ける(中性脂肪値は1日単位で前日の晩、前々日の生活も影響)ことも。現時点で脂質異常症でなくても、最低1年に1回は健康診断を受け、前回の結果と照らし合わせて自分の身体の状態を知るようにしましょう」とのこと。
中谷先生は続けます。「目標値を達成しても、それを維持できないと意味がありません。身体が赤信号になる前に、手を打つことが大切です。まずは食事を改善。そして適度な運動をするようにしましょう。少しずつでも長く続けることが大切です」