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知っトク!?健康スキル

健康に美容にミネラルは不可欠(3/3)

掲載号 vol.16

記事内容

読了時間:16分

正しく付き合う“必須”と“有害”。ミネラルは、出すそして、摂る。

不足している必須ミネラルと、知らないうちに蓄積していく有害ミネラル。その両方の問題を改善するのが、ミネラルとの正しい付き合い方。不足状態を解決するために、“摂る”前に“出す”必要があるのです。

必須と有害は、体内でイス取りゲーム!?

「必須ミネラルは積極的に摂るべきですが、その前に考えてほしいのが、有害ミネラルの存在。これが身体の中に蓄積されたままだと、必須ミネラルの働きが十分に発揮されないのです」
澤登先生によると、必須ミネラルと有害ミネラルは、体内で”イス取りゲーム”をしているような状態なのだそう。イスを数多く取ったほうが、より多く身体に留まることになるので、必須ミネラルの摂取量が少ないと、有害ミネラルにイスを奪われやすくなってしまいます。

「必須ミネラルが不足している状況を考えると、まず有害ミネラルの数を減らしたい。イス取りゲームに勝利するためには、有害ミネラルをできるだけ身体に入れないようにしながら、留まりにくくすること、出しやすくすることを心がけてください」
必須ミネラルが優勢であればイスを多く確保でき、有害ミネラルが留まりにくくなります。では、出しやすくするにはどうすればいいのでしょうか。

  • 有害ミネラルにイスを奪われると、必須ミネラルが体内に留まらず、さまざまな体調不良の原因に
  • 必須ミネラルが多ければ、有害ミネラルが居づらくなり、健康な体内環境へとつながります

腸内環境を整えて、有害ミネラルを体外へ。

蓄積された有害ミネラルを体外に排出するためには、「腸内環境を整えることが大切」と澤登先生。そもそもヒトには、身体に入り込んだ毒素を何とかして排出しようとする働きが備わっています。肝臓が有害なものの処理に重要なのはもちろんですが、その後に体外へ排出するには腸の働きが大切です。腸の健康は毒を溜め込まない近道だと言えます。

「体内に蓄積された有害ミネラルを“出す”こと。必須ミネラルを多く“摂る”こと。それがミネラルとの正しい付き合い方です」
その方法は、食事を見直したり、適度な運動をとり入れるなど、どれも実践しやすいものばかり(下記参照)。小さな不調や慢性的な悩みは、ミネラルが原因かも。健康や美のために、今からミネラルバランスを整えていきましょう。

ミネラルと正しく付き合うための7つの方法

必須ミネラルを働かせるために、きちんと摂り、きちんと出す。
美と健康につながる、そしてすぐできる簡単な方法をご紹介します。

1. ミネラル豊富な食品を摂る。

ミネラルは体内で作ることができないため、食品から摂るしかありません。特に旬の食材は栄養価が高くなり、ミネラルをはじめとする栄養素が多く含まれているので積極的に摂るようにしましょう。ミネラルは熱に強く、加熱して壊れることはありませんが、茹でたり煮たりすると水に溶け出してしまう性質があります。そのため溶け出したミネラルも丸ごと摂取できる、煮込み料理やスープなどの料理がおすすめです。また、いちごやりんごなどの果物もミネラルが多く含まれています。食後のデザート、おやつにするなど工夫して摂るようにしましょう。

必須ミネラルを多く含む食品
亜鉛牡蠣、豚レバー、牛もも赤身肉、油揚げ、納豆
カルシウム木綿豆腐、いわしの丸干し、小松菜、チーズ
マグネシウム蕎麦(乾麺)、乾燥わかめ、あさり
小松菜、切り干し大根、レバー、あさり、海藻
牛レバー、牛ヒレ肉、くるみ、ピスタチオ
セレンたらこ、鰹、牛肉、鰻

出典/『おいしく健康をつくる あたらしい栄養学』(高橋書店)

  • 2. 発酵食品を積極的に摂る。


    身体の解毒機能のうち大部分が排便によるもの。そのため、腸の働きを整えることがとても大切です。腸の働きを活発にする善玉菌が多く含まれる発酵食品を摂るようにしましょう。中でも、私たち日本人が昔から食べ続けてきた味噌、納豆、漬け物などの植物性乳酸菌は体質に合っています。これらの食品を毎日の食卓にとり入れましょう。

  • 3. 水分補給をする。


    体内環境全般を整えるためには、水分補給も大事です。便秘がちな人は、体内の水分が足りていないことも。1日の水分摂取量の目安は、体重の1/30程度と言われているので、体重45㎏の人であれば1.5ℓを目安にして。利尿作用のあるお茶やコーヒーは、水分を排出してしまうため、水や白湯でこまめに水分補給を行いましょう。

  • 4. 適度な運動をとり入れる。


    リンパの流れをよくすることは解毒に効果的。そのために適度な運動は大切です。特におすすめなのが、縄跳びなどの跳躍運動。リンパ液が流れるリンパ管にはポンプ機能がないため、下半身部分の流れが滞りやすくなります。"第二の心臓"とも言われるふくらはぎを跳躍運動で直接刺激すると、筋肉の収縮がポンプ代わりになり、リンパの流れがスムーズになります。腸の活動も活発にしてくれるので一石二鳥です。

  • 5. 入浴をする。


    発汗にも解毒機能があります。入浴で汗をたっぷりかいて有害ミネラルを排出しましょう。おすすめは、無理なく大量の汗を出せる半身浴。血液やリンパ液の流れもよくなるので、解毒作用がいっそう高まります。

  • 6. 栄養素をバランスよく摂る。

    ミネラルに限らず、栄養素はバランスよく摂ることがとても大切です。不足しているという意識が強過ぎて過剰に摂取すると、逆にそれが偏りになってしまうので要注意。野菜や果物、魚介類、海藻類などの自然の食物には栄養素がバランスよく含まれているので、旬の食材を上手に摂って、ミネラル不足防止に活用しましょう。

  • 7. 悪いものが入らないようにする。

    車の交通量が多い場所ではマスクをつける、空気がキレイなところに出かけるなど、悪いものを身体に入れないよう対策することも大事です。完全に防ぐことはできなくても、日常生活のちょっとした心がけが、有害ミネラルを留めない体内環境を作ります。


この先生に聞きました!

澤登雅一先生

澤登雅一先生

さわのぼり まさかず

三番町ごきげんクリニック 院長

血液内科医として日本赤十字社医療センターに勤務後、2005年より『三番町ごきげんクリニック』院長に。米国先端医療学会(ACAM)キレーション治療認定医。著書は『細胞から「毒」が逃げ出す生き方─キレーション身体革命』(講談社)など多数

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