病院に行くほどではないけれど、「何とかしたい!」困りごとに、薬剤師の小原先生が、役立つアイテムやアイデアをご提案します!


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汗ばむ夏こそ、保湿!肌のバリア機能を整えて。
ちょっと外出しただけでも首筋や背中が汗ばむ夏は、かなこさんのように、かゆみを伴う皮膚トラブルが増える季節。汗によるかゆみは、一般に汗荒れ、汗かぶれと言われ、汗に微量に含まれる塩分やアンモニア成分に皮膚が刺激されて、炎症やかゆみを引き起こすとされています。
特に、外的刺激から肌を守るバリア機能が低下すると、汗の成分が刺激となり、赤みやかゆみが起こりやすくなるんです。
かゆみを防ぐ対策としては、汗をかいたらぬるめのシャワーですぐに洗い流すこと。外出時は、汗拭きシートが便利です。汗を皮膚に留めないよう清潔な肌を保ちましょう。
その上で、大切なのが保湿です。実は、肌のバリア機能を低下させる大きな原因のひとつが乾燥。汗かぶれを防ぐためには、肌に潤いを与えることも必要なのです。顔や身体の保湿には、赤ちゃんやアトピーの方にも安心な低刺激性の乳液やクリーム、外的刺激に強い肌環境を整えるセラミド配合のスキンケアで、肌をいたわりながら潤いを与える高保湿ケアを心がけてくださいね。
肌に触れるものは、無添加・低刺激が安心。
かゆいとつい掻きたくなりますが、掻くと肌のバリア機能がさらに壊れ、炎症やかゆみが増す悪循環につながります。まずは素早く炎症を鎮める市販の外用ステロイド軟膏で、かゆみを落ち着かせましょう。ステロイドの強さレベルは、ドラッグストアや薬局で薬剤師さんに相談してくださいね。どうしてもステロイドを避けたい人には、非ステロイド系の抗ヒスタミン配合の外用薬やメントール系のかゆみ止めもあります。皮膚に炎症やかゆみが起きているときは、洗顔料やボディソープなどの洗浄料は界面活性剤が含まれない、天然由来成分使用のものが安心です。市販の洗浄料に含まれる界面活性剤は健康な肌には問題ないのですが、バリア機能が低下した肌には刺激が強く、かゆみや炎症の原因にも。さらに気をつけたいのが、衣料用洗剤に含まれる化学合成成分。繊維に入り込んだ化学成分が汗と混ざり、かゆみを引き起こすことも。皮膚に塗るもの、皮膚に触れるものを低刺激・無添加に替えることで、症状がよくなるケースは多いんですよ。
夏はどうしても汗をかく季節。肌トラブルの予防に役立つハトムギ茶や抗炎症作用のあるヨモギ茶を日常的にとり入れたり、皮膚を健やかに保つビタミンB2、B6をサプリメントで補うなど、汗に負けない肌作りを目指してくださいね。
汗拭きシートで、清浄な肌をキープ!

ベタつきやにおいを防ぐ殺菌成分や爽快感を与えるメントール成分などが含まれた汗拭きシートは、外出時もすっきり清浄な肌を保つのに役立ちます。
掻かずにいられないほどかゆい!ステロイド外用剤で炎症を鎮めて。

市販のステロイド外用薬は、効き目のおだやかなものから強力なものまでさまざまな種類があるので、薬剤師さんに相談して、皮膚の症状や年齢に合わせて選びましょう。
塗り方の ポイント!皮膚をこすらないように、指先でトントンとやさしくのせるように塗りましょう。

※ステロイド外用薬には、ほかにベリーストロング(とても強い)、ストロンゲスト(最も強い)もありますが、医療機関の処方が必要になります
肌につけるものは、低刺激の無添加アイテムを選んで。

洗浄料、日焼け止めなど、肌に塗るものはできるだけ化学成分を含まない無添加のものを。

衣類に付着した界面活性剤や化学成分がかゆみを引き起こす場合もあるので、洗濯用洗剤もアミノ酸系洗浄成分など低刺激性の無添加タイプを選びましょう。