だるくて、やる気が起きない。ちゃんと睡眠をとったはずなのに、疲れがとれない。あなたも、そんな経験はありませんか?原因はさまざまにありますが、“細胞の酸欠”もそのひとつ。あなたの身体を作っている細胞が、酸欠に陥っている可能性があるのです!
だるい、疲れが抜けない。それ、細胞の酸欠が原因かも!?
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だるい、疲れが抜けない。それ、細胞の酸欠が原因かも!?
細胞呼吸こそが呼吸の真の目的!
「今、 “かくれ酸欠”が増えているそうです」。編集会議で今回のこの特集について担当者からそう語られたとき、筆者は「私は多分、大丈夫だな」と思ってしまいました。問題なく呼吸をできているし、と。しかし、担当者から出た「呼吸の仕方によっては、気づかないうちに細胞が酸欠になっていることがあるんです」という言葉に、「細胞が?」と驚かされたのです。細胞の酸欠によって表れるのは、だるさや疲れのとれにくさ、肩こり、腰痛、集中力の低下など。さらには肌のしわやたるみまで引き起こすのだそうです。きっと誰もが経験しているであろう不調の数々。筆者にも、もちろんあります。呼吸で改善できるのなら、方法を知りたい。そして、あなたにもそれをお伝えしたい。と、呼吸についての書籍を多く書かれている、ハーバード大学の根来秀行先生にお話をうかがいました。
「皆さんがよく知る呼吸は、酸素をとり入れ、二酸化炭素を吐き出すものだと思います。それは【肺呼吸】と呼ばれています。加えて、もうひとつ【細胞呼吸】と呼ばれるものもあります。これは、全身の細胞レベルで行われる呼吸。実は、これこそが呼吸の真の目的です。細胞呼吸が低下し酸欠に陥ると、細胞はエネルギー不足となり、ダメージを受けるのです。筋肉細胞が酸欠になれば、肩こりや腰痛を、肌細胞で起これば、肌のしわやたるみを引き起こします」
スマホやパソコン。浅い呼吸になる原因
呼吸の仕方に問題はない。筆者はそう思っていましたが、実は問題があることに気づいていない人は、意外にも多いそうです。
「呼吸が浅くなっている人は多くいます。マスクは原因のひとつ。息苦しくなるため呼吸の回数が増え、浅い呼吸になってしまうのです。さらにパソコンやスマートフォンの使用時にも呼吸が浅くなります。前かがみになるため、空気の通り道である気道が狭くなり、横隔膜が動きにくくなることが理由です。マスクの息苦しさは体感として知っている人も多いと思いますが、パソコンやスマートフォン使用時の呼吸の状態は気づきにくい。仕事や動画視聴などに夢中になると、呼吸が浅くなっていることがわかりにくくなるのです」
パソコンやスマートフォンは、もはや手放せないもの。さらに現代社会はストレスも多いため、呼吸が浅くなりやすく、細胞の酸欠が起こりやすい環境だと言えます。
「呼吸は、24時間365日絶え間なく行っているもの。それだけに、心身にさまざまな影響があります。ただ、無意識に行うだけでなく意識的にも行えるものですから、呼吸を健康作りに役立てることは難しくありません」
だるさや疲れのとれにくさといった不調。加齢によるものと見過ごしがちですが、呼吸を見直すだけで、改善するかもしれません。
浅い呼吸になっていないか
簡単にできるチェック方法
苦しくなく、30秒間息を止められるかを調べる【ブレスホールドタイムテスト】。浅い呼吸になっていないかチェックしてみましょう。
- 普段通り呼吸をして鼻から息を吐いたあと、鼻をつまむ
- そのまま息をしたくなるまでの時間を計る
30秒経過するまでに、唾を飲み込みたくなったり、喉、首、肩、お腹の筋肉が勝手に収縮したら呼吸が浅くなっている証拠。
そういった症状がなく、30秒息を止められたら合格。40秒以上止められたら理想的な状態です。