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知っトク!?健康スキル

準備運動だけじゃ不十分!?アキレス腱断裂の予防法(3/3)

掲載号 vol.50

強くする&負担を減らす。アキレス腱の守り方

材料を摂る。鍛える。負担を減らす

断裂を防ぐには、アキレス腱を作るための材料を摂ること、鍛えるための運動をとり入れること。また、体重増加によってかかり過ぎているアキレス腱への負担を減らすことも大事です。私たちがこれからできる、アキレス腱の守り方を、先生に教えていただきました。

1.
ビタミンC、亜鉛、銅。
コラーゲン合成を促す
栄養を摂る

「アキレス腱は、コラーゲンとエラスチンでできています。それらの合成を促すには、ビタミンC、亜鉛、銅が必要。アキレス腱を強くするために摂るなら、運動前がベスト。アキレス腱でのコラーゲンの合成は、運動開始から約30分後に最も高くなります。運動前に摂っておけば、タイミングよくアキレス腱を強くすることができます。サプリメントを活用してもよいでしょう」

役立つ栄養素を含む食品

【ビタミンC】
パプリカ、ケール、アセロラ、キウイ、じゃがいも、さつまいもなど

【亜鉛】
牡蠣、牛肉、鶏肉、レバーなど

【銅】
レバー、干し海老、湯葉、ほたるいか、ココアなど

役立つ栄養素を含む食品
アキレス腱のほかにも!
コラーゲンは、
さまざまな組織に存在!

アキレス腱の材料になるコラーゲン。皮膚の弾力や水分を保つ働きを担っていることでよく知られていますが、ほかにもさまざまなところに存在しています。骨、血管、内臓、歯ぐき、目などにも存在し、それぞれの正常な機能を維持するために働いています。コラーゲンの合成に必要なビタミンC、亜鉛、銅は、アキレス腱のほか、全身の健康にも役立ちますから、上手にとり入れるようにしましょう。

コラーゲンは、さまざまな組織に存在
2.
アキレス腱の
トレーニングを
とり入れる
かかとを少し上げた状態を
トータルで3分間

「片足で立ち、かかとを少しだけ上げ、その状態を15秒キープしましょう。1日にトータルで3分行えばOK。アキレス腱は素早く動かすよりも、ゆっくり負荷をかけることで鍛えられます。かかとを上げ過ぎると負荷がかかりにくいので、数ミリ上げるくらいの意識でできるだけ低い位置で保つようにしましょう」

かかとを少し上げた状態 ハイヒールも効果あり!?

「海外のファッションモデル女性のアキレス腱を調べると、皆とても硬いことがわかりました。これは、彼女たちがハイヒールを履く機会が多いことと関係していると言えます。ハイヒールは、かかとが上がるためアキレス腱に適度な負荷をかけると考えられます。足にトラブルがなく、苦手でなければ、履いてみては?」

ハイヒール
3.アキレス腱への
負担を減らす
スポーツの前に
“アキレス腱伸ばし”を

「運動する前の準備運動、“アキレス腱伸ばし”は、実はアキレス腱はほぼ伸びません。あれは、ふくらはぎの筋肉を伸ばして動かしやすくすることが目的。アキレス腱への負担を少なくすることができますから、スポーツをする前は行うようにしましょう」

アキレス腱伸ばし
体重が増加しているなら
まずは減量を

「アキレス腱には体重の3倍もの負荷がかかります。10kg増えたら、30kg分もの負荷がかかるわけです。肥満はコラーゲンの合成もうまくいかなくなりますから、まずはダイエットを。そのための運動はアキレス腱に負担がかからない水泳や自転車がおすすめです。スクワットも効果的。太ももやふくらはぎ、お尻、お腹、背中と全身の筋肉を使うので、消費カロリーが大きくなりますよ」

水泳
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この先生に聞きました!

石川昌紀 先生

石川昌紀 先生

いしかわ まさき

大阪体育大学
体育学部・スポーツ科学研究科
教授

フィンランド、ユバスキュラ大学で博士号を取得後、研究員を経て、2008年より大阪体育大学に就任。17年より現職。専門分野は、身体運動中の神経、筋機能メカニクス。日本トレーニング科学会 理事などを務める

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