タンパク質不足も薄毛に!? | 食事改善・頭皮ケアは無駄ではない
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タンパク質不足も薄毛に!? | 食事改善・頭皮ケアは無駄ではない
決して無駄ではない食事改善やヘアケア。
年齢を重ねると、薄毛になる可能性はやはり高くなります。ちょっと悲しい話かもしれませんが、加齢に伴う薄毛はヒトだけに起こることではないそうです。
「毛が細くなる、色がなくなるというのは、おそらくすべての動物に見られる現象だと思います」
加齢に伴う薄毛も含め、改善方法はまったくないわけではなさそうです。
「食事の改善やヘアケアは無駄ではないと思います。それによって必ず毛が増えるとは言えませんが、やっておくと薄毛の悩みが少しは減らせるかもしれません。意外に女性には、毛髪をはじめ毛の材料になるタンパク質が不足している人がいます。不足を補うことで、薄毛が改善できる可能性もあります。湿疹やかぶれでも毛髪が抜けますから、頭皮のケアは、しておくほうがいいでしょう。あとは、先ほど申し上げたように、きつく髪を結い上げるのも避けるべきです。時々であれば問題はありませんが、日常的になると、やはりダメージがあります」
発毛剤のCMなどでよく見聞きするミノキシジルという成分も効果が望めるそうです。
「ミノキシジルは、もともとアメリカで高血圧を抑える薬として開発されていたのですが、承認を得るために行われる試験の段階で、服用した多くの人に、毛が増えることがわかったのです。その発毛促進効果を利用して、発毛剤の有効成分として使われるようになりました。実は偶然から生まれたもので、発毛の仕組みは明確にはわかっていませんが、一定の効果は認められています」
ミノキシジル配合の発毛剤は、男性用のイメージですが、女性用もあります。「細胞を〝活性化〟する効果はあるものですから試してみる価値はあるでしょう」と先生。
悩める男女のために薄毛治療の研究が盛んに。
幹細胞を利用する再生医療をはじめ、薄毛の治療法の研究も今、盛んに行われています。
「私自身も、iPS細胞を使って毛髪を作り出す毛包を再生する研究を続けています。そのほかにも、毛包幹細胞が皮膚に運命を変えないようにする物質を補充する方法も見つかるかもしれませんし、毛周期のサイクルの、成長期を長くするような方法も考えられると思います」
薄毛は悩ましい。男性にも女性にも、そして研究する先生方にとっても悩ましいもの。だからこそ、その研究が日々行われているということなのです。
薄毛を改善しようと手あたり次第に努力をするよりも、まず薄毛の仕組みにきちんと向き合ってみましょう。そうすれば、今の悩みを少し減らすことになるかもしれません。
*国内既承認ミノキシジル製剤中(2018年4月現在)
※この医薬品は、薬剤師から説明を受け、「使用上の注意」をよく読んでお使いください