健康に美容にミネラルは不可欠（2/3）

問題は不足だけではない！健康を脅かす有害ミネラル。

もはや他人ごとではない、ミネラル不足。
さまざまな不調を引き起こし、さらには重大な病気につながる危険性もあります。不足しないように意識して摂る必要がありますが、実はミネラルには、摂るべきではない有害なものも存在するのです。

不足が引き起こすさまざまな不調、病気。

ミネラルは身体にとって不可欠なもの。不足してしまうと、さまざまな不調を引き起こします。歯や骨がもろくなる、貧血、目まい、頭痛、食欲不振……。人によってはさほど気にならない不調であっても、不足した状態がそのまま続けば、脳梗塞や心筋梗塞、ガンなど重大な病気につながる危険性もあります。

不調の改善や、より健康に過ごすため、ミネラルを普段から積極的に摂る必要があります。しかし、逆に健康に悪い影響を及ぼすミネラルも存在するのです。

問題になった公害病も有害ミネラルが関係。

水銀や鉛、カドミウム、ヒ素、アルミニウム。それらは摂るべきではない“有害ミネラル”で、身体に蓄積すると悪い影響を及ぼします。かつて問題になった水俣病やイタイイタイ病なども、この有害ミネラルが原因です。

「水俣病は水銀、イタイイタイ病はカドミウムが原因でした。また、事件報道でヒ素の存在を知った人も多いかもしれません。これらの公害病や事件は地域が限定的で、有害ミネラルは自分には無関係だと思われるかもしれませんが、実は私たちの身体は、有害ミネラルに常にさらされているのです」
例えば、自動車の排気ガス。大気汚染やPM2.5などにも、有害ミネラルは含まれています。普段から私たちは、大気に含まれる有害ミネラルを、知らず知らずのうちにとりこんでしまっているのです。

驚くことに、普段の食事からも有害ミネラルをとりこんでいることもあります。有害ミネラルを含んでいる食品や古い水道管を通った水、アルミの調理器具などを使うことで、食事を通して微量の有害ミネラルをとりこんでしまうのです。

「食品としては、魚介類に水銀が含まれていることが多いんです。日本人は魚の摂取量が多いので、欧米人に比べて10倍以上の水銀が蓄積していると言われています。今では、水俣病のように非常に高濃度の水銀が短期間に体内へ入ってくることはありませんが、慢性的に少しずつ蓄積しているのです。問題なのは体調不良の原因になっている可能性があるにもかかわらず、そのような有害ミネラルの蓄積に気付きにくいということです」

避けられない有害ミネラル。上手く付き合う工夫を。

下の表にあるように、私たちの生活の中にはさまざまなものに有害ミネラルが含まれています。とても怖いことのように思えますが、完全に遮断することができないのであれば、上手く付き合う方法を考えていきましょう。

「水銀が含まれるからといって、魚介類を食べないというのはおすすめできません。魚介類は生活習慣病の予防につながるEPA、DHAなど良質な栄養素をたくさん含んでいますから、食べないのではなく、いわしやさんま、あじなどの水銀含有量が比較的少ない青魚を選ぶなど、工夫するといいでしょう。また、有害ミネラルを身体から出す方法をとり入れることも必要です」

私たちが心がけるべきは、大切なミネラルを摂ることと、有害ミネラルを身体から出すことなのです。

主な有害ミネラルの蓄積の症状と汚染源

参考／『細胞から「毒」が逃げ出す生き方─キレーション身体革命』（講談社）