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知っトク!?健康スキル

においも、ベタつきも気になる!汗はホントにイヤなもの?(2/2)

掲載号 vol.21

記事内容

読了時間:8分

汗にまつわる 疑問Q&A

Q1汗にはどんな働きがあるの?

大きな役割は体温調節。高い外気温にふれたり運動などによって体内に熱が生産されたとき、体温の上昇を防ぐために汗を分泌、皮膚の上で汗が蒸発することで体温を下げています。高温に極めて弱い脳を熱のダメージから守るため、体内のタンパク質変性により死に至るのを防ぐためにも、体温調節はとても大切なのです。体温調節のための発汗を"温熱性発汗"といい、爪の下や唇以外の、身体のほとんどの部分に分布しているエクリン腺から分泌されます。

Q2いい汗と悪い汗の見分け方は?

粒が小さく、さらさらとしているのがいい汗、大粒で、べたべたしているのが悪い汗。いい汗は、肌の上ですぐに蒸発しますが、悪い汗は蒸発しにくいため体温調節がうまくできなくなります。簡単に言えばゆっくり出るのがいい汗で、どっと出るのが悪い汗と言えます。あなたの汗はどちらか? これらを参考にしてみてください。

Q3汗腺にはどんな働きがあるの?

汗腺は、血管の中から汗の原料(血漿)をくみ取って、水に近い水分だけを汗として体外に出しています。汗の原料の中には塩化ナトリウムやミネラルなど、身体に必要な成分が含まれているので、体外へ出す前に、汲み取った原料を一度血管に戻し、残りの水分を汗として体外に出しています。これが汗腺の再吸収という大切な働き。これができるといい汗になりますが、機能が低下した汗腺は再吸収ができず、必要な成分や老廃物が水分の中に含まれて汗として出てきます。悪い汗にはさまざまな成分が含まれているためべたべたとし、においもあります。また、ミネラルや塩分が多く失われるため熱中症も起こりやすくなります。

Q4緊張したときや、辛いものを食べたときに出る汗は、悪い汗?

エクリン腺からの汗には、温熱性発汗のほかに、緊張したり、驚いたときに出る“精神性発汗”(手足の裏、脇の下が主)と、辛い物を食べたときに出る“味覚性発汗”(額や鼻、唇の周り)があります。じんわりではなく、どっと出るので、再吸収される時間がなく、どちらも悪い汗だと言えます。ただ、精神性発汗は、「汗が出たらどうしよう」という緊張から、抑えようとすればするほど汗が出ることもありますから、あまり気にしないこと。“味覚性発汗”は一種の皮膚反応で、だ液を出すために汗も一緒に出ていると言えます。「汗をかくと恥ずかしい」という思いから、精神性発汗を併発することがありますから、こちらも気にしないことです。

Q5いい汗でもにおうことがある?

汗自体ににおいはありませんが、皮膚表面にある細菌類によって分解・酸化され、においが発生することがあります。皮膚に付着しているアカや皮脂、ホコリ、フケ、表皮から脱落した角質などが汗と混じり合うと、細菌が増殖して分解・酸化が促進され、におい物質が発生するのです。1時間以上放置せず、早めに拭き取りましょう。

Q6制汗剤を使ってもいいの?

体温調節という大切な働きがありますから、汗は出すべきものですが、抑えてもいい汗もあります。それは、脇と足からの汗です。脇は常に両腕によって塞がれていますし、足は靴を履いていますから、汗が蒸発しにくい部分。体温調節の役割を果たしているとは言えないので、抑えても問題はありません。においも発生しやすい場所ですから、制汗剤を上手に役立ててください。

Q7いい汗をかくにはどうしたらいいの?

汗をかく習慣を持つことです。クーラーに頼り過ぎない、運動や入浴をとり入れるなどして、汗をかくようにしましょう。そうすれば汗腺が鍛えられ、いい汗をかけるようになります。いい汗をかくと代謝が盛んになり、それによって自律神経や免疫系が働きやすくなって、ますます代謝が活発になります。このよい循環が、ダイエット成功のカギになるなど美と健康につながっていきます。ただ、汗腺は筋肉などと同じように、使わなくなると衰えますから、汗をかくことを習慣づけることが大事です。簡単なのは入浴です。下で紹介していますのでとり入れてみてください。

いい汗をかくための入浴トレーニング

汗をかけなくなっている人、悪い汗をかく人におすすめなのが、汗腺を鍛えられる入浴法。右で紹介している3ステップを続けると3週間で効果があらわれるようになるそう。生活にとり入れて、汗をかく習慣を持つようにしましょう。

①高温手足浴

43~44℃の熱いお湯に、膝下と肘から先だけを、10~15分浸ける。バスチェアを利用するといいでしょう。
※年配者や皮膚の弱い人は、やけどの心配がありますので、ぬるめのお湯で。

②微温浴

①の浴槽にぬるい湯を足して36℃くらいにし、10~15分の半身or全身浴を。

③風呂上がりのケア

汗を拭いたら、ゆっくり休みながら、自然の風やうちわなどで汗を蒸発させる。エネルギー代謝を円滑にする、クエン酸を含んだリンゴ酢や黒酢などで水分補給をすると、汗腺トレーニングにより役立ちます。


この先生に聞きました!

五味常明先生

五味常明先生

ごみ つねあき

五味クリニック院長
体臭・多汗研究所所長

一橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。昭和大学形成外科などで形成外科学、および多摩病院精神科などで精神医学を専攻。1984年に『五味クリニック』を開業。『暑さに負けないクールダウン健康法』(アスコム)、『汗をかけない人間は爬虫類化する』(祥伝社新書)など著書多数

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