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知っトク!?健康スキル

涙にリラックス効果あり!?笑顔になれる上手な涙の流し方(1/4)

掲載号 vol.12

喜び、悲しみ、悔しさ、寂しさ、そして感動。生まれてからこれまで、私たちはさまざまな場面で涙を流してきました。でも、いつの間にか泣くことをがまんするようになっていませんか?近年、泣くことには、心と身体を健康に導くチカラがあることがわかってきました。涙の秘密を探って、明日の笑顔に役立てましょう。

この先生に聞きました!

有田秀穂先生

有田秀穂先生

ありた ひでほ

ありた ひでほ

東京大学医学部卒業。東海大学病院で呼吸器内科医として臨床に従事。筑波大学基礎医学系で呼吸の脳生理学の基礎研究を本格始動し、その後ニューヨーク州立大学に留学。帰国後、1996年より現職を務める。脳ストレスをコントロールするのに効果的な「セロトニン神経」研究の第一人者。セロトニン道場代表

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泣く理由から、涙のヒミツを探る。

人が流す涙は、3つの種類に分けられる。

あなたは最近どんなことで泣きましたか? 泣いた後、どんな気持ちになりましたか? 成功の喜び、失敗の悔しさ、大切な人との別れ……。涙の理由はさまざまです。先頃『太陽笑顔fufufu』が実施したアンケート(下のグラフ参照)では、最近流した涙の理由は、「感動」が最も多く、泣いた後の気持ちには、「より感動が大きくなった」「気が晴れた」などが多く挙げられました。涙とは、本当に不思議なものです。

東邦大学医学部統合生理学教授・有田秀穂先生によると、私たち人間が流す涙は3種類に分けられるそうです。

「ひとつ目は、ドライアイ防止や角膜保護のために常に分泌される“基礎分泌の涙”。ふたつ目は、玉ねぎを刻んだ時や目にゴミが入った時に防御のために出る“反射の涙”。そして3つ目が、悲しみや感動で流す“情動の涙”です」

“情動の涙”とは、良きにしろ悪しきにしろ、感情が高まることで流れる涙のこと。その時、コミュニケーションや共感を司り、脳の司令塔とも呼ばれる“前頭前野”(前頭部に位置)に血流が増え、激しく興奮することから涙が出るのだそうです。

「“情動の涙”には、その時の高まっている感情を抑え、心身をリラックスさせる力が秘められています」と有田先生。いったいなぜ、涙にそんな力があるのでしょう? それについては、人が生きて行く中で出合うさまざまな体験と、涙の変化について知ることが近道です。

人が成長するに従い涙も変化していく。

「人が最初に泣くのは、生まれた瞬間。産声を上げる時ですね。ただその時、涙は出ていません。涙を流すのは、1歳ぐらいになってからなんです。赤ちゃんの泣くという行為は、空腹や、おむつが濡れたことを周囲の大人へ伝えるための、ひとつの伝達手段なんです」

赤ん坊から子どもへと成長し、泣けば大人が不快を取り除いてくれることを知ると、不快の解消を目的に泣くようになります。さらに中学・高校生になると、プライドが傷つけられたり、悲しみに耐えかねた時などにかかる心の重圧を、“悔し涙”や“悲しみの涙”で解消する術を自然に身につけるのです。

「ところが、大学生や社会人になると、社会的にこれらの涙を人前で流すことは許されなくなります。それに代わって流すようになるのが、“感動の涙”や“共感の涙”。表彰台で感涙しているスポーツ選手を見て、流す涙がまさにそうです。これらの涙の根本にはすべて、他者への共感があります。子どもは経験が少ないので共感ができず、この涙は流せません。つらいことや悲しいことを乗り越え、共感を司る前頭前野が鍛えられた大人だからこそ流せる涙なのです」

そしてこの涙も、人生で乗り越えなければならない困難に深い関わりがあるとか。スポーツ選手が表彰台で泣くのは、つらいトレーニングをしてきた思い出や、勝負に負けた時の悔しさを思い出し、それを乗り越えた喜びと解放感に満たされるからなのだそう。それを見て涙を流す人も、その道のりを擬似体験し、自分の体験と重ね合わせて心が解放されているのです。

「このように人間は、成長する過程でさまざまな困難にぶつかりストレスを感じます。“情動の涙”は、前頭前野の発達していない動物には流すことができません。“情動の涙”は、神様が、ストレスを溜め込んでしまう私たち・人間に与えてくれた、特別な機能なのだと私は考えています」

涙にまつわるアンケート

『太陽笑顔fufufu』調べ

20~50代のロート製薬社員100人(男性32人、女性68人)を対象に行ったアンケート結果