Vol.6
食材の力で、毎日をもっと健康に。
管理栄養士がお悩みに答えます。
寝不足じゃないのに、昼間眠い……。もしかして眠れていないの?
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寝不足じゃないのに、昼間眠い……。もしかして眠れていないの?
寝る前にカフェインを摂らないようにして、睡眠時間はしっかりとっているつもり。でも、昼間に眠くなってしまいます。きちんと眠れていないの? 何か気をつけることはありますか?(鹿児島県・カナさん30 歳・会社員)
問題は、睡眠時間でなく、体内時計の乱れかも。
リセットと同時に“ 眠りホルモン” の材料を摂りましょう。
体内時計は1日25 時間。1時間のズレを調整して。
睡眠は美と健康のためにとっても大事なもの。だからカナさんも、きちんと睡眠を、と考えていらっしゃるのでしょう。
昼間眠くなる原因が睡眠不足でないとしたら、もしかしたらカナさんの体内時計が乱れ、睡眠の質が低下しているのかもしれません。
良質な睡眠とは、すっきりと目覚めて「よく眠れた」と感じられるもの。身体も脳も休めた状態をいいます。その良質な睡眠のためには、毎日体内時計をリセットすることが必要です。
普段意識することはないかもしれませんが、人間の身体はリズムを刻んでいます。昼間、やる気がみなぎって仕事や家事がはかどるとか、決まった時間にお腹が空くといったリズムを生み出しているのが体内時計。人間の体内時計は1日25時間だと言われ、地球が自転する24 時間とは1時間の差があります。生活の中のさまざまな刺激で、そのズレを修正しているんですが、それができなくなってしまうと、時差ボケのような状態になり、睡眠に影響が出てしまいます。
良質な睡眠をとるには、その1時間のズレを修正すること。つまり体内時計をきちんとリセットすることが大事なんです。
体内時計のリセット方法はふたつ。
ひとつは、光を浴びることです。起きたらまずカーテンを開けて朝日を浴びましょう。光が脳に朝が来たことを伝え、地球との時計合わせが完了します。ふたつ目は、朝食を摂ることです。内臓が刺激されて、身体に朝が伝わります。
眠りのための材料、摂れていますか?
夜、眠くなるのはなぜか、ご存知ですか? 単に疲れているからだけではないんです。脳から、眠りホルモンとも言われるメラトニンが分泌されるからなんですよ。良質な睡眠のためにはメラトニンがきちんと分泌されていることも条件。ですから、その材料になるトリプトファンを摂っておきましょう。
トリプトファンは、肉や魚、乳製品、ナッツ類、穀類、豆類などに含まれています。バナナにも含まれていますから、牛乳と合わせてバナナミルクにすれば、朝食にもぴったり! トリプトファンを含むお米、鮭やたらこでおにぎりを作るのもいいですね。
メラトニン作りをサポートする、ビタミンB6 を一緒に摂るのもポイントです。肉や魚、大豆製品など、トリプトファンとビタミンB6の両方を含む食品も多いので、それらを摂るととても効率がいいですよ。
メラトニンは夜になれば分泌されるのではありません。朝日を浴びた15 時間後に分泌されるので、朝、体内時計をリセットするのはその意味でも大事なんです。体内時計が整えば睡眠の質がよくなる上、美と健康にいい変化が訪れるはずです。夜食べると太るのも、体内時計が関係しているんですよ。気持ちよく目覚め、夜自然に眠りにつく。そんな生活が送れれば、きっと身体も心も、元気でキレイになれます!
- 肉・魚
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牛・豚・鶏などの肉(特にレバーが○!)、まぐろ、鰹、鮭、さんま、鯖などの魚、すじこやたらこなどの魚卵が、トリプトファンを多く含みます
- ナッツ
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トリプトファン豊富なナッツはアーモンドとマカダミアナッツ。どちらもビタミンB6も含んでいるので、効率のよい眠りホルモンの材料になります
- 乳製品
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トリプトファンを多く含む乳製品はチーズ、ヨーグルト、牛乳など。バナナミルクにナッツをトッピングするとトリプトファンを、より多く摂れますよ!