毎日のスキンケアや食事に運動。きっと多くの女性が、キレイと元気のために、さまざまなアンチエイジング法を実践しているはず。でも「思った結果につながらない」と感じているなら、大切な方法がひとつ足りていないのかもしれません。近年、老化と密接な関係にあることがわかってきたのが、誰しも感じたことがある"疲労"。そのままにしてしまいがちな日々の疲労には、どう対処すればいいのでしょうか?そこにアンチエイジングのカギがあるのです。
疲れが老化を加速!?疲労をケアする新アンチエイジング法!
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疲れが老化を加速!?疲労をケアする新アンチエイジング法!
老化も疲労もメカニズムは同じ!
鏡を見て、老けた気がする、と思ったことはありませんか? 忙しい日々が続いて、疲れが顔に出ているだけ、と片づけてしまうこともよくあると思います。「疲れているから、今、ちょっと老けて見えるだけ」。残念ながらその考えは大きな間違い! 実は疲労と老化には密接な関係があり、疲労を放置してしまうと、どんどん老化が進むことがわかってきたのです。
「老化の原因のひとつが“酸化”であることは、よく知られていますね。酸化とは、身体の細胞や組織が錆びて傷つくこと。鉄が錆びるように、細胞や組織も錆びつき、シミやシワといった肌の老化や、病気を招いてしまいます。実は、その老化のメカニズムと疲労のメカニズムは同じなんです」と、長年疲労の研究に携わり、2015年に「東京疲労・睡眠クリニック」を開院した梶本修身先生。
疲労も老化同様、細胞の錆びつきが原因。錆を取り除くように、疲労をきちんと回復しないと、老化が進んでしまうのだそうです。
「例えば、自転車のチェーン。少し錆がついていても、走行することはできますね。この状態が疲労。しかし、その錆がどんどん増え、こびりついてしまうと、まともな走行ができないばかりかまったく動かなくなってしまう。これが老化なのです。つまり、疲労を蓄積させないこと、その日の疲れを翌朝に残さないようにすることが、一番のアンチエイジングになるのです」
スタミナ食も、熱い風呂も意味がない!?
早速、疲れを取らなくっちゃと思ったあなた、ちょっと待って。疲労回復のためにやっていることは、実はあまり効果がないものも多いのだそうです。
「昔から、疲労には鰻や焼肉などスタミナのあるものを食べるといいと言われていますね。疲労によって、少なくなったエネルギーを補えるというイメージがあると思うのですが、現代の日本人は、ほとんどが栄養状態良好。栄養過多も問題になっているほどです。食糧が不足していた時代と違い、今は脂質の多いスタミナ食を摂っても、疲労回復の効果はありません」
熱いお風呂に入ることも、かえって疲れを増してしまうのだとか。
「温泉で熱い湯に入って、その後よく眠れたと感じるのは、疲れが増長されたことによって、身体が休息を求めているだけなのです」 お湯に浸かると脳に快楽物質が分泌されるため、疲れが取れたように感じるのだと先生。このように、本当は疲れているのに気づかないことも多いのだそう。
「残業明けのゴルフなどは、楽しさや高揚感によって、疲れに気づかない場合が多いんです。土曜日の早朝のゴルフで、心筋梗塞や脳卒中がよく起こるのは、気づかないうちに蓄積した疲労が原因だと言えます」
疲れを放置することは、深刻な病気にもつながりかねません。忙しさのあまり後回しにしてしまいがちですが、疲労のケアが美と健康にはとても大事なのです。
知っているようで知らない疲労の正体をつかめば、あなたに足りなかったアンチエイジング法がわかります!