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なるほど!食の知識

ビタミンもミネラルも!茎まで栄養たっぷりのブロッコリー畑を訪ねて

掲載号 WEB限定

vol.6

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[今回の野菜大根] ブロッコリー(埼玉県 本庄市)

春の訪れを感じる春野菜といえばブロッコリー。ビタミンやミネラルが豊富で、特にビタミンCを多く含みます。さらに、がん予防に効果があるといわれるスルフォラファンを含み、健康効果が注目されている緑黄色野菜です。実は、ブロッコリーは東京のお隣、埼玉県が日本で有数の生産地。県内でも広大なブロッコリー畑のある本庄市へ行ってきました。

記事内容

  • ビタミンもミネラルも!茎まで栄養たっぷりのブロッコリー畑を訪ねて

読了時間:5分

ビタミンもミネラルも!茎まで栄養たっぷりのブロッコリー畑を訪ねて

新しい野菜をみんなで作っていく

埼玉県本庄市でブロッコリー作りが盛んに行われるようになったのは数10年前。そこには、海外で生まれたブロッコリーが、日本でもよく食べられるようになった背景があります。「大都市の食を支えるこの大地で、需要の高まる野菜を力をあわせて作っていこう」。その強い意思が、いろいろな野菜を作っていた農家の方々の想いをひとつにし、この地域のブロッコリー畑はどんどん広がっていきました。今回お話を伺った石井さんもその農家のひとり。野菜を作るのも食べるのも大好きな石井さんは、今、部会長として地域のブロッコリー作りを牽引している方です。

自分らしく働きたいからこそ、農家で起業する

会社員から八百屋に転身、そして農家に。石井さんの実家は農家ですが、学業を終えてすぐに就農したわけではありません。「自分自身の力で、農家として起業したかった」と、石井さんは言います。まずは大きな組織に入り、社会や時代の動向を掴むこと。経営感覚を磨くため、数年間は八百屋で修行をされました。農家をはじめる前に起業した八百屋では、寝る間も惜しんで働いたといいます。しかし、大型スーパーが次々と建てられるようになり、個人の八百屋から客足は遠のいたそうです。そんな頃、働き方を見つめ直された石井さん。「かねてから抱いていた志、農家での起業を実現し、時間をコントロールして働く」という想いから、売る側から作る側の農家に。会社員、経営者と、どの立場であっても変わらない仕事への情熱。今度はそのひたむきな想いが、おいしいブロッコリー作りに向けられました。

常に自然と向き合い考え抜く手法が、生産量を支えている

「ブロッコリー作りで一番難しいのは発芽させること」と、石井さんは言います。実はブロッコリーは非常にデリケートな野菜。暖か過ぎても寒過ぎても、おいしく育ちません。例えば、暖か過ぎると通常より早く育ってしまい、予定していた時期に出荷できないだけでなく、旬の時期がズレることで味や栄養価が低くなってしまいます。だからこそブロッコリー作りは、徹底した生育環境の管理が不可欠。寒さで冷え過ぎないようにビニールで覆い、雨で水が多くなり過ぎないように水路を作って水はけを良くします。そして、最も難しいという発芽は、栄養たっぷりの土を作り、種を蒔いてから芽が出るまで常に適度な温度と水を保つ細やかな管理が必要です。今では大ベテランの石井さんでも、はじめは発芽しなかったり、収穫まで育たなかったりと失敗が続いたといいます。失敗の度に自然と向き合い、何が良くなくて、何をするべきか。そうやって常に考えてきた作り方こそ、本庄市が多くのブロッコリー生産量を誇る理由です。

楽しむ姿が、おいしい野菜作りを繋いでいく

本庄市の直売所ではそれぞれの農家が作った野菜を指名で買いに来る方がいます。「石井さんの作ったブロッコリーが欲しい」お客さんのその言葉を聞くのは何よりもうれしい瞬間。家族で畑を営む石井さんは「そろそろ、引退も考えたんだけどね」と言います。ですが、最近では息子さんが就農され「息子が農家をするからには、作り方を教えないと」と、うれしい悩みを笑顔で語る石井さん。引退を考えたと言いながらも石井さんの言葉からは、本当に野菜が好きだということ、農家の仕事を楽しんでいることが、ひしひしと伝わってきます。石井さんの働く姿を見て育った息子さんにとって、農家という職業はとても魅力的に写ったはず。今後は家族でもっと畑を広げていきたいと石井さんは言います。おいしい野菜を作る。そのために、ひたむきに楽しく働く。その姿こそがおいしい野菜作りを、これからへ繋げていく秘訣なのではないでしょうか。

農家の方に聞く 野菜の目利き ブロッコリー編

旬のタイミングは、
蕾の大きさと密度で見分ける

今回、お話をお聞きした石井さんによる、おいしいブロッコリーの見分け方をご紹介。
まず見るべきは、ひとつひとつの蕾が小さいこと。そして、その集まりである「花蕾(からい)」がフワフワとせずにキュッと締まっているものがベストタイミングで収穫されたブロッコリー。手で触って確かめてみてください。また、切り口が白くキレイであることも鮮度を確かめるポイントです。

ひとつひとつの蕾が小さく、「花蕾(からい)」がキュッと締まっている 切り口が白くキレイひとつひとつの蕾が小さく、「花蕾(からい)」がキュッと締まっている 切り口が白くキレ

取材協力

真利子 伊知郎さん

生産者 
石井さん(埼玉県本庄市)

自分で時間をコントロールすることは、石井さんが農家として起業した理由のひとつ。自由な時間を作ったときは、大好きな釣りに行きます。お気に入りの釣りスポットは新潟にある粟島。趣味も本気な石井さんの目標は鯛を釣ること。海に出るときも仕事と同じように情熱を注いでいます。

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