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太る食べ物は依存する!?肥満へのループを断つ玄米の効果(2/3)

掲載号 vol.25

高脂肪食が食べたい!実は脳がそうさせていました。

人間は「脂たっぷりの食べ物を食べるのをやめたい」と思っても、どうしてやめられないのでしょうか?その原因には、食べ物の依存性が関係していました。

意思が弱いからではありません。

誰もが肥満にはなりたくないもの。でも脂たっぷりの食べ物を食べ続けていれば、いつかは肥満になる可能性が高まります。わかってはいるのにやめられない、その理由は何なのでしょうか?

「実は、高脂肪食には強い依存性があることがわかってきました。高脂肪食は脳に作用し、高脂肪食を食べれば食べるほど、もっと食べたくなるという悪循環を生み出していたのです」

ここで、益崎先生が行った実験をご紹介しましょう。マウスに脂ぎったエサと通常のエサを用意し、どちらを欲しがるのかを調べる実験を行いました。マウスの様子をモニターした結果、100回エサを食べに行ったとすると、普通のエサを食べたのはわずか5回!それ以外の95回は脂ぎったエサを食べていました。

「脂ばかり食べているマウスが、どんどん肥満になっていったのは言うまでもありません。高脂肪のエサばかりを食べ続けると、身体が今どれくらいのカロリーを必要としているのか、どのエサを選ぶべきなのか、脳は正しい判断ができなくなってしまうのです」

さらに、「高脂肪食への依存を断ち切るのは、タバコやアルコールをやめるよりも難しい」と益崎先生は言います。

タバコ・アルコール依存のマウスに対し、それぞれを強制的にやめさせると、どちらも3日以内で依存性は急速に減少していきました。しかし高脂肪食に依存していたマウスは2週間経っても、依存性が残っていたのです。

「タバコ、アルコールの依存は自分の意思だけでやめるのは難しいことは一般的に知られていますが、高脂肪食への依存はこれら以上に意思だけでは変えにくいのです」

高脂肪食への依存にかかわる脳の働きとは?

脂たっぷりの食べ物ばかり食べ続けてしまうと、なぜ脳は正しい判断ができなくなってしまうのか、さまざまな研究によって、そのメカニズムが明らかになってきました。ポイントとなるのは、脳内の細胞の中で起こる、“小胞体ストレス”です。

人間は絶えずストレスにさらされていますが、細胞も同じように常にストレスにさらされています。そのストレスを和らげる機能も備わっていますが、あまりに強いストレスがかかると、細胞は危険な状態になってしまうのだそうです。

「脳には視床下部というところがあり、ここが正常に働くことによって、食欲をコントロールしています。ところが高脂肪食を食べ続けていると、この視床下部で小胞体ストレスが増加することがわかりました。つまり、高脂肪食を食べ続けた影響で、視床下部の細胞は大きなストレスを抱えるようになり、そのストレスを処理しきれなくなると視床下部の働きが麻痺して、より高脂肪食を欲しくなってしまうと考えられます」

肥満へのループを断ち切るためには?

脂たっぷりの食べ物を食べれば食べるほど、もっと食べたくなるという“肥満へのループ”。これを断ち切るには、どうしたらいいのでしょうか? カギとなるのは、日本人に昔からなじみのある、ある食材にありました。

「それは玄米です。そもそも私がこの研究を始めたのは、ある先生が始めた玄米食がきっかけでした。その先生はクリニック開業で多忙な日々を送るうち、不規則な食生活により肥満傾向になってしまったのです。その対策として、ある日から昼だけ手作り玄米弁当に変えたところ、『お通じは順調になり、肥満や脂質異常症が改善した。以前のように脂っこい食べ物をあまり欲しくなくなり、あっさりした和食がおいしく感じるようになった』と言うのです。その後研究を進めた結果、玄米だけに含まれる“ガンマオリザノール”という成分が、脳の小胞体ストレスを減少させていたことがわかりました」

日本人が昔から食べてきた玄米に含まれる特有の成分であるガンマオリザノールが、“肥満へのループ”を断ち切るカギだったのです!

小胞体は、タンパク質の"加工工場"と言われるところ。タンパク質は人間が生きるために必要不可欠ですから、小胞体がきちんと働くことは人間の生命活動において、非常に重要です。

ところが小胞体は周囲からさまざまな影響を受け、うまく働けなくなることがあります。すると不良品のタンパク質ができてしまい、その不良品が増え過ぎると、小胞体はさらにうまく働けなくなり、細胞自体が危険な状態に。

この状態が小胞体ストレスで、ストレスが過剰になり過ぎると、細胞は最終的には死んでしまいます。これは細胞死と呼ばれ、精神疾患や関節リウマチなどの膠原病、がん、慢性腎臓病、心筋梗塞、ウイルス感染症など、さまざまな病気の発症にかかわっていることも明らかになってきています。

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